コノノイ♀のにょいまんさん、MM組と合流の時気合い入れて(?)派手でエッな下着をつけて欲しい…天使湯の都合、特に艦橋の交代は男女別になりがちだ。
「え……ノイマン大尉それは……?」
天使湯の脱衣所でヒメコ・ユリー軍曹は驚愕を隠さず問いかける。とはいえそれは、上官に対してのものとしてはいささか軽率が過ぎるものであった。しかし、それに対して指摘をするような軍人はこの場にはいない。
「それって言われても……下着、だが?」
指さされたそれは確かにただの下着だった。
細身だがしっかりと筋肉の付いたノイマンの身体を彩るそれは、黒を基調とし、レースにオレンジの差し色の片側はほぼ紐になっている上下がセットになったものだった。
とても似合っているが、今のヒメコにとってそれは問題ではなかった。
「だってノイマン大尉、いつもスポブラにボクサーじゃないですか……!!」
「あー……そう、だな」
返答が濁ったのは、風呂に入る前に着けていた物はヒメコの言った通りの上下黒で揃えたスポブラとボクサーパンツだったからだ。揃えた、なんて言うのは結果であり、そもそも黒か灰かベージュの三色しか持っていない。適当に着けたら今日は偶然揃っていただけの話だ。
しかし、今現在ノイマンが着用しているのは上下セットで売っている、それこそ下着だけで魅せるのが目的といったような売り方をされているタイプの代物だ。
「艦長がたまに着けてる、絶対フラガ大佐セレクトの下着よりもエッチじゃないですか!!」
「ユリー軍曹、言葉を選べ。ラミアス艦長が真っ赤だ」
横で真っ赤になっているマリューのつけているのはそれこそ偶然にもフラガセレクトの大きな薔薇のレースがあしらわれたものだった。
「いや、いいのよ……確かにムウセレクトの下着はちょっと派手過ぎるものね、わかりやすいわ……」
頭を抱えたマリューに、ノイマンは
(それでも着るんだから大佐愛されてるよな……)
だなんて場違いにも思っていた。
「でも、ユリー軍曹だけじゃなくて私も気になるわよ?ミレニアムと合流するけど、誰かと逢引きでもするの?」
「艦長も言葉選んでくださいよ……」
そろそろ服を着てもいいだろうか、とノイマンはショートパンツと上着を着用する。横からヒメコの「ああっ!!」って声が聞こえた気がしたがそれは無視した。
「ただの気合い入れですよ」
「逢引きの……?」
「別に、見せるとかそういうんじゃないです」
「お相手からのプレゼントですか?」
「自分で買ってるよ」
「ノイマン大尉の趣味なんですか?!エッチだ……!!」
「ユリー軍曹、言葉を慎め」
休憩時間もそろそろ終わるが未だに服を着終わらない部下と上官を見て少し心配になるが、話題の中心はいつまでも自分で、どうにか話題を逸らしたいと思い始めていた。
しかし、普段着用しないものを着用している状況など、女子会では恰好の話題であることくらいノイマンもわかっていた。
好奇心旺盛な顔で二人から見つめられれば、下手に追及されるより自分から話した方が楽だと、ため息を一つ落として話し始めた。
「普段や戦闘の可能性がある時はこんな格好じゃ気が散るじゃないですか」
その言葉に常に可愛いやセクシーな下着を着用している二人は同意できない。
「自分の場合は、ですよ。ただ、まあ、逢引き予定はないですが、ちょっと女として気合を入れておこうかと。こういう下着の方が気が引き締まるっていうのもあるじゃないですか」
その言葉に二人は大きく頷く。
「そろそろ休憩終わりますけど、着替えとドライヤー間に合います?」
一人早々に軍服を着こんだノイマンの指摘に二人は慌てて服を着始めた。
「で、結局逢引きはしたんですね?」
「ユリー軍曹、言葉を慎め」
「独占欲の強いお相手なのね……」
「……あなたも首にあります」
「付けるなって言ったのに!!」
「お相手さんから好評でした?」
「……好評だったけど、贈られた下着があまりにもフリルのあるタイプの清純系下着でアラサーに何求められてるのかわからなくてちょっと困ってる……」