プロポーズ「ボクと結婚してください」
そう言ったコノエの手には指輪、片膝をついたポーズで照れくさそうに、少しだけ不安げに眉根を寄せて伝えた相手は兼ねてから交際しているノイマンだった。
「よろしくお願いします」
その一言が出て来ない。
既に大半のクルーたちは結婚し、古参クルーで知れ渡ったカップルではノイマンが最後だ。決して遊ばれたわけではないとわかっていたし、直属上官大佐カップルが結婚するまでは結婚したくない、と独り言のように言ったのはノイマンだった。
とは言え、突然のプロポーズには驚きが隠せない。目を白黒させ、喉元まで来た言葉が音にならずに消える。
少し不安になったコノエがしっかりと顔を見れば、真っ赤になって口元を覆う恋人の目には涙。
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