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    Fast20o1

    @Fast20o1_Roblox

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    Fast20o1

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    うちの子夢小説
    ふと受信した夢概念。
    タップすると全文表示できます。

    【登場キャラ】
    12(トゥエルブ)…上級悪魔。人間を拾ってきた
    ファスト…中級悪魔。12の弟。
    人間の女…拾われた。帰りたい

    悪魔が人間をペットにする話 第1話「あの…」
    「口を開くな」
    「は、はい…」

    出来事は数時間前に遡る。
    少し買い出しに出ていただけなのに、気が付けば迷い込んでいた。いや迷い込んだ?気を失った?よくわからないけれどとにかく、気が付けば見知らぬ土地にいた。土地というか、もう世界そのものが違うみたいだ。
    空は夕焼けどころの騒ぎではないほどに赤く、本当に真っ赤。多分この世界のお昼時?暗いわけではなかったし。
    絵に描いたような西洋風の街並みで、明らかに元いた日本の商店街ではない。街にいる人たちも頭に角が生えていたり体が半分ヘビだったりと怪物ばかりだ。
    その光景は例えるなら、「なんかおしゃれな地獄」。いやおしゃれな地獄ってなんだよ。
    でもそう例えるしかないほどには、赤く黒々とした世界だった。
    怪物による往来の中、人間の私一人。どう考えても場違いな私の登場に気付かないはずがなく、「人間だ!!」の一声でわらわらと大殺到。
    逃げ足だけは昔から早い私は、囲まれる前にどうにか振り切ってきた。
    お昼ご飯の焼きそばの為にキャベツを買いに行っただけなのに、どうしてこんな目に遭うのか。大人しくチャーハンにすれば良かったかもしれない。だって昼番組でB級グルメの特集がやっていたから、食べたかったんだもん。
    ゼェハァと息を切らし、ふらふらと影の差す道を歩いていた。見つからないようにと警戒しつつ、曲がり角をチラリと覗く。
    人、いや怪物がいた。しかも目が合った。見つかった。
    先程の全力疾走でガクガクになった足で逃げる。陸上の先生が見たらシバかれるくらい滑稽な走りだっただろう。もちろんあっという間に捕まった。
    大きな蜘蛛の足を背中に生やし、目隠しをしたスーツ姿の大男。多分カタギの人ではない。
    「人間。しかも女か。ここに堕ちるのは本当に珍しい。」
    そう言うと薄く笑いを浮かべ、こうして恐らく彼の家に連れてこられた。


    私を床に置き、彼はソファーでくつろいでやけに分厚い本を読んでいる。人間の調理法のレシピとかだったらどうしよう。お昼ご飯を買いに出たのに私がお昼ご飯にされてしまう。
    異世界とはいえあんな分厚いレシピ本があるわけないと振り払う。とにかく私は家に帰らなければならない。
    本を読んでいる今がチャンスじゃないか?と思い立ち、音を立てないように、姿勢を低くしてゆっくりと離れる。
    が、しゅるりと尻尾が伸びて私を巻き取ると、元の位置に連れ戻される。
    ならば!と今度は勢いよく飛び退いて逃げ出す。
    も、また尻尾に捕まり連れ戻される。
    ほふく前進で逃げようとしても転がっても飛び出すように逃げても、尻尾に絡め取られて元の位置に戻されてしまう。
    しかもこのトゲトゲした危ない尻尾、毎回トゲが刺さらないように丁寧に巻き取って戻してくる。そんな心遣いがあるのなら逃がしてほしい。
    ふと、「人間だ!」とか「とても珍しい」とか、言っている事を理解出来たので交渉が通じるのではないか?と思い話しかけてみる。
    「あの…」
    「口を開くな」
    「は、はい…」
    交渉どころか会話すら拒否されてしまった。そりゃあそうか、食材と会話なんてしないか。
    いやいや、まだ食べられると決まったわけではない。まだどうにかなるはずだ。
    押してダメなら引いてみろ、という言葉が何故か頭を過ぎった。明らかに今思いつく言葉ではない。
    ……ワンチャンあるかもしれない。むしろこっちが集って邪魔しまくれば追い出してくれるかもしれない。
    私は本を読んでいる彼の妨害をしようと近づいた。
    が、顔を掴まれて制止される。
    「寄るな。」
    何なんだ!遠くに行ってもダメ近づいてもダメ喋ってもダメ、私は一体どうしたらいいんだ。大人しく調理されるのを待っていろという事なのか。
    ガチャン、と廊下から音が聞こえる。この家に誰か入ってきた。また怪物が増えるのか。
    ドアが開くと、同じく蜘蛛の足が生えた男が入ってきた。この大男と比べるとかなりラフな格好で、顔からも若い印象を受ける。
    「おかえり、ファスト。」
    「ただいま。…あれ?何それ、人間?」
    ファストと呼ばれた青年はそれ、つまり私を指差す
    「あぁ。拾った。」
    誘拐の間違いでは?
    「へぇ。喋れるの?おーい。」
    彼はしゃがみこみ私に話しかけてくる。よかった。こっちの人は話が通じそうだ。
    「あ、あの!家に帰らせてください!!」
    「だって、12。お家帰りたいって」
    あ、あっちの話の通じない男は12という名前なのか。
    「断る。」
    話が通じても交渉決裂だったか。
    「なんで?なんかに使うの?」
    「今のところ予定はないな。」
    「食べるんじゃないんですか!?」
    予定がない、と聞いて思わず声に出してしまった。てっきりお昼ご飯にされると思っていたのに。
    「…12。人間って食べれるの?」
    しまった。本当に余計な事を言ってしまったようだ。これでじゃあ食べるか、ってなったらどうしよう。
    「食べれるには食べれるが、そんな希少な存在をわざわざ必要のない食事に使う者はいないだろうな。」
    「ふーん。美味しいの?食べたことある?」
    「あるがわざわざ食べたいと思うほどのものでもない。他に似た味のものがあるし、そっちの方が美味い。」
    「そっか。じゃあいいや」
    さらっと恐ろしい会話をされたが、とにかく食べられるわけではないようで安心した。
    いや安心している場合ではない。どうにかしてお家に帰してもらわなければならない。
    「お願いします!家に帰してください!」
    一度断られたので誠意を見せて頼み込んでみる
    「断る。」
    「そこを何とか!」
    「無駄だ。そも、一度地獄へ堕ちたのであれば元の世界に帰ることはできない。」
    え?
    今、なんと?
    「そうなの?悪魔は帰れるじゃん。」
    この怪物達は悪魔なのか。だから妙に顔が良い…じゃない、今かなり重大な話が出ている。なんて?どういうこと?
    「悪魔はな。俺らは地獄から人間の世界に『呼ばれる』存在だ。だから帰る事が出来る。しかし、人間は地獄に『堕ちる』存在だ。一度地獄に堕ちた者は二度と上へは這い上がれない。だからお前が俺にいくら頭を下げようと、お前は人間の世界に帰る事は出来ない。そういうものだ。諦めろ。」
    そんな、どうして?
    私は、お昼ご飯の買い出しに出ただけなのに。
    「なんで……どうして……?悪い事なんて、してないのに…」
    ショックで涙が出てくる。本当にどうして?どうしてこんな目に遭わなければいけないの?
    もう二度と元の世界に帰れないの?家族にも、友人にももう会えないの?お別れすら言えていないのに?死んだわけでもないのに?
    あぁ、あまりにも、あまりにも理不尽だ。人生なんてものは、どうしてこんなに唐突な理不尽ばかり…
    ちゅっ
    突然目にキスをされた。ビックリして見てみると、ファストはガスマスクを外して私の顔を覗き込んでいた。
    「ん。甘いかも。」
    と、彼は舌なめずりをする。
    「ファスト!!!!!!」
    「ごめん。どんな味か気になって」
    「俺にだってした事ないのに!!!!!」
    「だって12泣いた事ないじゃん」
    「あるさ!!!一人で!!!!」
    「一人じゃん」
    家に帰れないと知り泣いていたらイケメンに唐突にキスをされるという恋愛ドラマのような急展開と、二度と元の世界には帰れないという絶望の2つの衝撃が衝突事故を起こして頭は真っ白、心はしっちゃかめっちゃかになっている。
    え?本当に帰れない…え?今、え?涙舐められた?え?帰れな、え?
    アイドルレベルのイケメンに急にキスされて、え?いや諦め、え?
    もう今二重の意味で助けてほしい。どうにかまず考えさせて、整理させてほしい。
    一生懸命頭を回そうとするも、2つのデカい衝撃に全部持っていかれてまともに考えが回らない。
    その結果、「夢オチだろう」という結論に至りその場は諦めることにした。



    あと書き
    とりあえず第1話という区切りで公開。
    この人間の女は死んだとか悪いことしたとか無理矢理連れてこられたとか一切無いマジで唐突に異世界転生させられたみたいな女です。
    気が向いたら続き書くかもしれない。
    読んでくれてありがとう。
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