ノストルさんは大変だね〜(他人事)今日はお休みの日だ。目が覚めてから朝ごはんを作ったり食べたり、ネットの通販サイトを覗いてみたり。思い付くことを一通りやっていると一緒に暮らしているミクさんとリンちゃんがいそいそと準備をし始めた。どうやら出かけるらしい。何処に行くのかは聞いていないけどミクさんがしっかりしているし、心配ないだろう。キャッキャウフフと楽しそうに用意する2人を横目に、朝食の続きである食パンを齧りつつスマホでニュースを手当り次第に読む。特に面白いものは無い。ダラダラとテーブルに身を預けていると準備を終えた2人が立ち上がってこちらを見た。
「それじゃあ、行ってくるね!」
元気よく挨拶して出かけて行った。それに軽く手を振って見送り、伸びをする。なんとなく飲みたくなってコーヒーを淹れ、テレビをつけてソファでくつろぐ。あれ?なんか静かだと思ったら今私1人じゃない?そっかぁ……!うわー1人になれるなんていつぶりだろう!長らく味わえなかった開放感に少し顔が綻んだ。何故そんなに珍しいのかと言うと、実はまだ他にも同居してる人が居るからだ。えっと全体で……いち……に……?うん、まあそこそこ居る。合意の上で共に暮らしているわけではないが、気が付けば私の家に居たのだからどうしようもない……。先程の2人と、その他複数。中には自由に外出されるのが大変望ましくない方々も居るけれど、その人達もたまに見かけない日がある。私はそれを『里帰り』と呼んでいるが、でも話を聞くと外出をしている訳じゃないとかなんとか?まあ、もうその辺は寛容に受け止める。今更細かいこと気にしてもしょうがない。疲れるだけだし。里帰りの真意はともかく今日!今!!それが起こっている。さらに本日はこれといった用事もないため2人が帰ってくるまで自由時間である。かつてないタイミングの良さにかなりテンションがあがる。何しようかなぁ。ゆっくり曲でも漁るか?あー最近やってるゲームも最終目標まであと少しの所で止まってるしそれを進めるのもアリか。なんてぼんやりこれからの予定に思いを巡らせつつコーヒーの入ったマグカップを手に取った瞬間、玄関を開く音がした。
「ただいま〜!」
その声を聞いた途端に緊張が走る。この声は……!!最近家に来ないなと思っていたけど、まさか今!このタイミングで帰ってくるなんて……
そりゃあ何の示し合わせもなしにこの状況が自然と発生するなんて天文学的な確率だし、それがなんの代償もなく、たまたま完成するなんて都合が良すぎる気はしてたけども……
そんなことを考えてるうちにトントンとドア越しに聞こえる足音が大きくなってきた。マグカップを持ったまま音のする方に気を取られて動けなくなる。
どど、どうしよう。とりあえず一旦隠れて……!いや、もしかしたら久しぶりに会うわけだし今日は見逃してくれる日かも……!ああでも!今まで何回それを繰り返してきた!?冷や汗をダラダラとかきながらマグカップを持ってキョロキョロしている。傍から見たら完全に不審者だろう。そうこうしているうちに私が居るリビングの扉がガチャリと開いた。
「あー!ノストルさん居た〜!ただいまです!も〜居るなら返事してくださいよ!」
あーあ……さっさと隠れればよかった。あ、コーヒー淹れちゃったから無理だわ。今扉を開けて満面の笑みで元気よく挨拶して来たのはふらっと居なくなっては突然現れる同居人、ルカさん。この人当たりが良さそうな雰囲気に騙されてはいけません。目の前に居る人の形した悪魔は常識が通用しない悍ましい存在です。各男性陣は近付かないように。私は何度も酷い目に遭わされているので本当に出来ることなら極力側に寄りたくないんですが、そうはさせて貰えないみたいですね。ルカさんは着ていた上着や持っていた荷物をさっと部屋の隅にまとめて近づいてきた。内心ビビりながらも変に刺激しないよう平静を装う。
「お、おかえりなさい……」
「はい!ただいまですっ」
ルカさんの笑顔がうんざりするほど眩しい。何でそんなに嬉しそうなんだ。私はもうアナタがこの部屋に来るまでの間だけで既に疲れてるよ。せっかく1人の時間を満喫出来ると思っていた矢先、速攻で面倒事に巻き込まれるなんて御免被りたいんだけど。心の中で悪態をつくものの、それを表に出す勇気はない。ルカさんはそのまま私の隣へ座って肩にもたれかかって来た。恋人にこんな事をされたら嬉しいのかもしれないけど私達は恋人ではない。それにこの人の場合、流れるように手を出してきたりするから気が気じゃない。そもそも私は距離を詰められるの苦手だし。そして無理に引き剥がそうとすれば大抵悪化する。時に純粋な気持ちで私の反応を見て楽しんでいる場合もあるみたいなのでそちらの気分であることを願う。
「ねーノストルさん聞いてくださいよ〜」
「は、はい……」
「昨日久しぶりに会った友人とご飯食べに行ったんですけど〜」
そうですね知ってます。あなた達3人で楽しそうに歩いてる所見かけましたから。
「それでその時一人の子が面白いこと言ってましてね!」
この話長くなる感じ?いや待てよ、でもこうやって世間話をしてくれている間は比較的平穏な気がするな。よし、このまま話をさせる作戦で行こう。
「へぇ、どんな話なんですか?」
「それがですね〜……」
それからしばらくルカさんの友人が言ったという面白おかしい話を聞かされた。正直全く頭に入らない。この話が終わったらどうしよう。次の手は何がいいか。そんなことばかり考えて何一つ入ってこないから適当に相槌していると、さすがに勘付かれたのか怪訝そうに顔を覗き込まれる。
「ちょっと、ノストルさん聞いてますかー?」「え?は、はい。そりゃもちろん……」
「本当ですかぁ〜?」
疑いの目を向けられるがちゃんと聞いていた。ただちょっと内容が頭に入って来なかっただけで。だって仕方ないじゃん。こっちは生死を分ける大切な判断を迫られているんですよ。そんな話に集中できるわけがないでしょう。私は悪く無い。
「あー……ところで、今日の夕飯、どういう感じにするんですか?」
話がひと段落ついた頃合いを見計らって質問を投げかける。すると何故かルカさんは急に黙ってしまった。あれ?なんか変なこと聞いたかな?あ!もしかしてまた何かやられるパターン!?思わず身構えるとルカさんがボソッと言った。
「……ノストルさんが作ってくれたご飯とか食べようかなー……なんて……!」
ああ、なんだそういう事か。良かった。てっきりまた変なスイッチが入ったのかと思った。だとしたら入るタイミング分からなすぎだけど。しかし普段なんでも臆面なくものを言うルカさんが珍しく照れた様子で呟くものだから、何故かこちらも恥ずかしくなって顔を背けた。
「そ、そうですか……ま、まぁ別にいつも作ってるんで。良いですけど……」
「やった〜!じゃあ今日はノストルさんの作ったご飯いただきますね〜!」
ルカさんが両手を上げて喜んでいる。はぁ……。こういう所は可愛げあるんだけどなぁ。常に、如何なる時もこんな感じならいいのに。心の中でモヤモヤしているといきなり身体を押され、ソファに押し倒された。突然の事象に理解が追いつかず呆然としていると、覆い被さるようにルカさんが身体を近付けてきた。
「うふふ、でもぉ、その前にノストルさんを食べちゃおうかな♡」
うんやっぱりわかんねぇわ。ダメだこの人。早くなんとかしないと。っていうか距離近過ぎじゃん死んだわ私。お前はいつもそうだ……。
「あ、あの!あの、そ、そう!!さっきのご友人の話もっと聞かせてくださいよ!」
「あら〜、面白かったですか?大丈夫、また後で聞かせてあげますから♡」
ああ……またやってしまった。もう逃げられない。ルカさんは私の首筋に舌を這わせてきた。生暖かい感触にゾクっとした感覚が背中を走る。
「ひっ……!」
「んっ……うふ、美味しそう……」
そのままカプっと噛みつかれる。痛いはずなのに痛みよりも快感が勝ってしまう自分が嫌になる。元はと言えばこの人のせいではあるものの、それでもこの状況で気持ち良くなるのはおかしいだろ。大丈夫か私。
「あっ、ちょっと待!待ってくださっ」
「待ちませんよ〜」
もう諦めるしかないのか……。抵抗しても無駄だろうしな。ルカさんの手が服の上から体の輪郭をなぞる。胸元を指先でなぞられ、ビクッと反応してしまう。くるくると円を書くように撫でられたかと思えば、ゆっくりと揉むような動きになる。
「んっ……んん……」
「おや〜?随分可愛い声が出てますけど、もう気持ち良くなってるんですか?」
うるさい、と言いたいところだが口から漏れるのは吐息だけ。ルカさんは私の反応を楽しむかのように何度も同じ場所ばかり責める。するすると撫でる手が時折突起を掠めると腰が跳ねてしまう。
「っあ、はぁ……く、やめ、なさいって……」
「とか言って……もう蕩けちゃってるじゃないですか〜」
ルカさんが楽しそうに笑う。くやしい……完全に遊ばれてる。
「ふふ、ここ、物欲しそうにしてますよ?」
ルカさんは指先でトン、トンと軽く胸の先端を叩く。それすらも今の私には刺激になってしまって身体を震わせる。
「は、んっ……!!」
「ノストルさんったら敏感ですねぇ〜」
そう言うと、服の中へ手を入れ直接触れてきた。「ひあっ……!?」
急なことに驚いたが、それも一瞬のこと。すぐに快感が襲ってきて思考が溶けていく。
「ッぁ……」
「ほぉら、こんなに固くして……」
ピンッと弾かれたりぐりぐりと押し込まれる度に情けない声が出る。ルカさんの手の動きに合わせて腰が揺れてしまう。自分で自分の体を制御できないくらい気持ちよくなっている事実が恥ずかしくて仕方ない。
「あっ……!あぅ……やめ……!」
「え〜?やめて欲しいようには見えませんけど?それにしてもここ、ホントに弱いですね。もう力入らなくなってるじゃないですか♡」
ルカさんが耳元で喋ると熱い吐息が耳にかかり、それだけでゾワゾワとしたものが背筋を走り抜けていく。
「はぁっ……!それ、だめ……!」
「『ダメ』じゃなくて『好き』ですよね〜?ほら、こっち向いてください?」
そう言われてついルカさんの方を見ると、唇を塞がれてしまった。キスされたまま胸を弄られる。今までこの人にキスをされたことはなかったため驚いたが、口内を蹂躙する舌と、胸を弄る指先に意識がぼやけていく。このままでは流されてしまいそうだ。
「んっ……ふぁ……んぐっ」
「ちゅっ……ちゅ……ぅふふ、ノストルさん……かわいい……んむ……」
「んん……!」
しばらくすると満足したのか、ようやく口を離してくれた。唾液が糸を引いている。私は肩で息をしながら呼吸を整えることしか出来ない。
「んふ、もう抵抗しないんですかぁ?」
「はぁっ……はぁっ……」
「あらら〜、これは重症ですね〜♡」
ルカさんは嬉しそうな笑みを浮かべながら再び耳に顔を近付け、今度は舌を這わせてくる。
「ひゃっ……!ああっ……!やだ……!そこ、ひっ、だめだってぇ……!」
「どうして?気持ち良いでしょう?」
ルカさんの舌先が私の耳の穴に侵入してくる。ねっとりとした温かいものに耳が侵されていく感覚に全身が震える。
「ひぃっ!ああ!!や、やだ……!変な音、たてないでっ……!」
ジュル、という音がダイレクトに脳に響く。その音だけで頭も腰もふわふわとして何も考えられなくなる。
「や、ほんとに、やめっ……!」
「ふふ、いっぱい声出ちゃってますよ〜?そんなにいいんですか?」
「やぁ……!」
耳から離れたかと思えばまた胸を触り始める。
「あぅ……んん……んんん……!!」
「そんなに気持ち良さそうにして……。本当に可愛い人ですね〜」
「い、やだ……!」
「嫌じゃないですよね〜?もっとして欲しいように見えますよ?」
「ちが……」
「違うならやめちゃいますけど〜」
「あ……ぅ……」
私が答えあぐねていると、ルカさんはピタリと手を止めた。急激に快感が止むと途端にもどかしくなって身悶えする。ルカさんはいつも通りニコニコと笑っていた。しかし目つきはギラギラと鋭く、虐める気満々と言った顔つきになっていた。
「身体は期待でいっぱいみたいですけど……?」
そう言うと突起の周りをくるりと撫ぜた。焦らすような動きに思わず身を捩ってしまう。
「ぅ……っく……」
「欲しい時はなんてお願いすればいいんでしたっけ〜?」
「ん……別に、いらないし……。」
「んもう、そんなこと言って〜ずっとこのままでいいんですか〜?それとも、やっぱりやめちゃいましょっか?」
ルカさんは再び手を止める。そしてそのまま胸には一切触れず、胸の少し下あたりから脇腹までをゆっくりなぞった。ゾクゾクとしたものが走り抜けて声が出てしまう。
「ふッ、うぅんっ……!」
「ほら、こんな風にされてもいいんですか〜?」
「このっ……人でなし……!」
「はいはい、何とでも言ってくださいね〜それよりほら、おねだり出来ないとこれがずぅ〜っと続きますよぉ?♡」
ルカさんは私を見下ろしながらニタリと笑う。本当に性格が悪い。悪あがきをしても長引くだけなのか。あーもう……
「……して。」
「ん〜?聞こえませ〜ん♡」
ルカさんは相変わらず楽しそうだ。わかってやってるくせに。
「ち、ちくび……もっと触って、気持ちよくして、ほしいです……。」
私は恥ずかしさで死にそうになりながら言った。はぁ、本当に最悪だ。最初の頃に比べ、スムーズにこういう言葉が出てくるようになってしまった自分に嫌気が差す。ルカさんの顔を見たくない。
「ふふ、いい子ですね」
彼女は私の頭を撫でると頬に優しくキスをした。その行動全てが憎らしい。
「ちゃんと言えましたね〜♡ご褒美あげます♡」
ルカさんが服の上から指先で胸の先端に触れる。焦らされた分強く刺激を感じ、体が跳ねる。
「んあっ……!」
ルカさんはそのまま指先を先端に添え、クルクルと円を描くようにして動かした。それだけで腰が浮いてしまいそうなほど気持ちが良い。
「あぁっ……!あぁっ!はぁあっ……!」
「うふふ、どうですか〜?気持ち良いですか〜?」
「っあ、きもちっ……!はあぁっ……ちがッ……んんっ、あぅあぁっ……」
「あらあら良かったですね〜♡じゃあこれはどうでしょう?」
ルカさんはそう言うと、両方の先端をギュッと摘んだ。その瞬間目の前に火花が散るような快感が襲い、体が仰け反る。
「ッあぁあ!!!」
摘んだまま軽く引っ張るように刺激され、あまりの快感に涙が出る。体を震わせているとルカさんは耳元に口を近づけ囁いた。
「この感じなら乳首でイッちゃいそうですね〜?かわいい……。ね、試してみましょ?」
「へ……?」
ルカさんは片方の手を離さず、もう片方の手も突起に触れた。
「ここだけでイくのも、きっとすごく気持ちいいですよ?」
「む、むり……!」
「無理じゃないですよね〜?だってココ、もうこんなに大きくなってますよ?」
ルカさんが足の間にあるモノの形を確かめるように触る。
「やっ……だめ……」
「まぁ今日ここはお預けですけど♡」
ニコッと目を細めたかと思えば突起をピンっと爪で弾かれる。
「ぁひっ……!」
敏感になっているそれを人差し指と親指で挟み込み、くにくにと押し潰すように動かす。時折爪で優しく挟まれると甘噛みされた時のような刺激になり、お腹の奥がきゅうっと疼く。
「あぁっ……んんっ……あぁっ」
その指先は止まることなく突起を弄ぶ。
「あぁっ……!んふぅう、んっ……」
「ふふ、もう限界みたいですね?切なそうな声出して……。もう少し我慢すればもっともーっと気持ち良くなれますよ?」
ルカさんの甘い言葉に誘われて頭がぼうっとする。気持ち良くなりたい。早くこの燻り続けるだけの快感から抜け出したい。それしか考えられない。
「あっ……も、もぉ無理……お願い、い、イかせて、くださ……」
「ふふ、よーしよし、頑張って乳首イキしましょうね♡」
ルカさんはぎゅぅっと胸の頂をつねった。
「ぐぅう〜〜ッ!!ッぁあ!!」
突き抜けるような刺激にビクビクと身体を痙攣させる。しかし絶頂には程遠く、ただ熱だけが体に溜まっている。
「それじゃ、ちゃんと弄ってあげます♡」
ルカさんは胸を触りながらズボンの中に手を入れてきた。
「あっ……そこはぁっ……」
「かわいそうなのでおちんちんも触ってあげましょうね♡あ、でもここでイッちゃダメですよ?」
下着の中はすっかりドロドロになっていた。ルカさんは器用に片手で私のソレを取り出すと上下に擦る。同時に私の胸を露わにしたかと思えば、また先端を口に含み舌先で転がした。
「あぁあ!だめだめッ!ィひぃいッ……!あぁあァあ〜〜〜〜ッ……!!」
強い刺激に耐えられず、すぐ果ててしまいそうになると、擦っていた手が根元をギュッと締め付ける。
「まだだぁめ♡」
「はがぁあっ……!!?あぁ!あ!や、やだ……!くるしぃッ……!!」
「言ったでしょう?おちんちんでイッちゃダメですよって♡ちゃあんと乳首でイカないと。ね?あー、でもあのまま出せたらすっごくきもちよかったでしょうに……残念♡」
ルカさんが触れている先端の割れ目に親指をあててグリグリと動かす。痛いくらいの刺激に腰が浮く。
「ひぃいい!ああぁっああぁあっ!!」
「あー、ほらまたイッちゃいそうになってるでしょう〜?我慢しないと♡」
「はひっ……ぁあっ!そんなの、むり……っ」
「大丈夫ですよぉ♡私がぜぇんぶやってあげますから♡」
ルカさんは股間から手を離し、再び胸に手を伸ばしてくる。吸い付きながら、もう片方の胸も触られ嫌でも意識がそこに向かってしまう。
「あぁっ……んんっ……ふあ……」
「ふふ、お顔がとろーんとしてて……かわいいですよ♡」
「んんんっ……!」
「あれれ?もう喋れないんですか?」
ちゅぱっと音を立てて口を離すと、胸元にキスを落とし始めた。
「ん、ぅう……?」
「んー、不思議そうですねぇ?休憩ですよ〜。少し休むとまた一段と気持ちよくなれちゃうらしいんです♡」
「うぅんっ……」
しばらく焦らされたかと思えば、突然指で摘まれ、捏ねられる。
「あっ……!あぁっ……!」
殆ど信じていなかったが、言葉通り先程よりも快感が増幅した気がする。痺れるような甘い感覚に思わず声が出る。
「気持ち良さそうな声出しちゃって……♡ふふ、そのままここに集中していてくださいね♡」
そう言うと突然、服を下ろされた。わざとなのか、少し強引に引き下ろされるせいで胸と擦れて体がピクリと反応してしまう。
「んんッ……!」
「それとぉ、乳首は布越しに触るのが一番刺激強いんですって。知ってました?」
何処から得たのか、世界一要らない知識を披露しつつ、胸の先を爪でカリカリと引っ掻き始めた。
「はッひあぁあっ……!!んあっ……!」
「ほーらこんな風に……」
「あぁあっ……!それだめっ……!」
「カリカリ……カリカリ♡」
「んくぅうっ……!はぅっ……」
「あ、もしかして横から引っ掻かれるの好きですか?♡」
「は、ぁああ!ひゃめえぇ……!!」
ルカさんは私の反応を見て楽しそうに笑う。その笑顔が恐ろしい。
「ほら、頑張って頑張って〜♡」
「あぁっ!あぁあ……!だめぇ!も、ダメになっちゃ……!!」
「いいですよ〜そのままダメになっちゃいましょう♡」
ルカさんの指先が先端を弾く度、ピリッとした電流のような刺激が走る。
「あぁあ……ッ!ひあっ……!こ、こわいッ!ッあ!も、もうッ!あぁ……ッ!」
「こわくないこわくない♡ほら気持ちいい、もうイッちゃいそうですね♡」
「んひぃいっ……!?」
「乳首かりかり♡されてイッちゃいましょ?大丈夫、私が付いてますから♡」
「あぁ、あああっ……!!!」
耳元で囁かれ、背中がゾクゾクして腰が浮いた瞬間だった。
「イけ♡」
今まで聞いたことの無い低い声で命令され、頭の中で何かがプツリと切れた。
「あ"……あぁはあァアあッ……!!?」
目の前で火花が散ったように視界がチカチカと光る。身体が勝手にビクビクと跳ね、口から出る声を抑えることが出来ない。
「わぁ〜!すごいすごい!♡ほんとにイッちゃってますねぇ〜♡」
「ッうぁああ……ぁああ〜ッ……」
「すごぉい……上手にイケましたねぇ♡偉いですよ〜」
頭を撫でながら嬉しそうに語りかけてくる。大きな絶頂の波が落ち着き、うまく回らない頭でぼんやりと天井を眺める。
「あはは♡まだお顔が蕩けてますよ♡そんなに気持ちよかったんですか?うふふ、もっとして欲しい?」
「んぐっ……や、だ……もぅ……」
「もう〜可愛いですね♡」
ちゅっと音を立てて唇を重ねられる。そのまま舌先でノックするように口内へ侵入してきた。
「んむ……んぅ……」
「ふふ、舌出して下さい♡」
ぼーっとしながら言われるままに差し出すと、舌先同士を合わせて絡め取られる。
「ん……んふ……んんっ……」
「ん……♡」
上顎をなぞられ、歯列をなぞられ、舌裏を舐められ、でもそれがとても心地よくて息継ぎの仕方を忘れるほどキスに意識を取られる。
「んんっ……ぷはぁ……」
やっと解放されると、名残惜しそうに透明な糸を引いた。
「ん……♡はぁ……」
「はッ……は……♡」
「どうですか?気持ち良かったでしょう?」
「んん……」
「それじゃあおちんちんも……ってもう満足しちゃいましたか♡じゃあまた今度いいこいいこしてあげますね♡」
ルカさんはそのままぎゅっと抱き締めてきた。まだ体を動かす気にはなれず、そのままじっとしていると玄関が開く音と「忘れ物ー!」という元気な声が聞こえた。ああ、良かったリンちゃんだ。この人を引き離してもらおう……と思ったがよくよく考えたらまだ自分が到底誰かに見せられるような格好をしていないことに気がついた。一瞬にして我に返る。
「あれ?ルカ姉帰ってきてたのー?」
ガチャリとドアノブを回す音がする。まずい、非常にまずい。パニックになりどうにか隠そうとするもルカさんはそんな気も無いようで声のする方へ顔を向け、呑気に返答している。
「ルカ姉久しぶり〜……ってえ!?
な、なに!これどういう状況!?」
「いやあのこれは……!!」
「あはは〜すみません、ちょっと盛り上がっちゃいまして♡」
ルカさんは悪びれる様子もなく笑顔で答える。
「え?どう盛り上がったらそんなことになるの!?」
「それは……まぁ、ヒミツです♡」
「ちょっ、それどころじゃ!あ〜!!ルカさん!まだ体起こさないで!!」
「わー!ごめんなさい!」
パニックが伝染するかのようにルカさんも慌て始め、まだ後始末も済んでいない私の局部にべシャリと体を付けた。
「わあああ!待って!服汚れちゃいますよ!?」
「せめて隠さないとですよね……ってああ〜!!服が〜!!」
「ぎゃーーーーっ!!!だから起き上がったら!!!!」
「わぁ〜……」
結局3人で大騒ぎしていたら外で待っていたらしいミクさんも入ってきて大混乱になり、落ち着いた頃にはすっかり夜が更けていた。
「あはは〜……今日は疲れましたねぇ〜」
「誰のせいだ誰の!!!」
ミクさんの後ろに隠れながら不平を言う。
「まあまあいいじゃないですか〜ノストルさんも楽しかったでしょ♡」
「良いわけないし楽しくもない!!」
「あはは、私としては2人が仲良くなったみたいで嬉しいけどなー」
「この人が勝手に仲良い雰囲気出してるだけです。っていうかごめんね2人とも。お出かけしてたのに……」
「ああ!そういえばリンちゃん達はどこに行ってたんですか?」
「え、それはねぇ、うーんと……内緒!」
「えぇ〜内緒にされると余計に気になりますよぉ〜!!」
「また今度ね!」
「え〜ケチ〜!」
楽しそうにリンちゃんとルカさんがじゃれているのを白い目で見ているとミクさんがポンと手を叩いて言う。
「あ、そうだ!せっかくだし皆でご飯食べに行かない?」
「あら!いいですね!」
何事も無かったかのようにルカさんが溌剌としているのがとても気に食わない。
「私はこの人が居ないなら行きます」
「えぇ!そんなぁ〜!」
「まあまあ、ノストルさん……それじゃあ決定ね!えーと、まあ……ルカちゃんとノストルさんは着替えよっか……?」
「はーい!」「はい……」
『今日は久しぶりに会ってみんなと楽しく遊んだだけです〜』とでも言うようにいつも通り振舞っている。こういう所が苦手だ。
「よし、着替えたね!じゃあ行こうか!」
「やったー!久々ですねぇ〜楽しみです!」「……」
結局なんだかんだで今も尚この人と共にいる羽目になっているのはこういう空気感のせいなんだろうな。それにしたって学ばなすぎか、私も。
「ね〜!ノストルさん!」
ルカさんがいきなり抱きついてくる。元より人と触れ合うのは苦手だが、この人は訳が違う。めちゃくちゃ怖い。
「ちょ、やめてくださいよ」
「えへへ〜いいじゃないですか〜♡」
ルカさんを引き剥がそうとしているうちにリンちゃんにも腕を組まれてしまう。
「はい、ルカ姉も行くよ〜」
「えへへ〜わかりました〜」
「ちょ、ちょっと、リンちゃんまで……」
「ほら!3人とも置いてくよ〜」
「あーもう!ちゃんと自分で歩くから!!離して!!」
2人に揉みくちゃにされながら半ば引きずられるように家を出る。慌ただしさに紛れ忘れている、貴重な1人時間が泡となって消えた事実に気がつくのはまた後の事。
♡おわり♡