ツツジが枯れる前に 奇跡のようなゴールデンウィークだった。
サトコの妊娠もあって、SKaRDの仲間たちが互いの休みを調整し合い、俺がゴールデンウィークめいっぱい休暇を取れるようにしてくれた。もちろんただの休みなら、怪獣現出の知らせを受けて休暇を返上し出動することもある。《奇跡のような》と付くのは休みの期間中一度もそういった事件が起こらなかったからだ。
特機団にいた頃だって、そんな長期休暇無かったと思う。
そんなゴールデンウィークが今日、ついに連休最終日を迎えた。
もともと比留間家は俺の急な出勤を考慮して予定を前半に詰め込んでいる。最終日ともなれば個人個人の予定が残った状態になるわけで、サトコは遠方の友人が仕事の都合で近くにきているということで食事に出かけ、ジュンも友達と公園で遊ぶのだと俺がこしらえた弁当を持って朝から飛び出していった。
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