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    negi82De

    @negi82De

    でんじねぎです。zna先生と男の自慰と夢が好きです。

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    negi82De

    DONE・zna夢、全年齢
    ・噛んだり噛まれたりする話です 痛くはないです
    肉を這う朱「おかえりなさあい」

     重い玄関ドアを開くと、廊下の奥から聞き慣れた彼の声がする。
     「ただいま」と返事をして部屋に上がる準備を済ませる。窓から夕暮れのオレンジ色が差し込んでおり、眩しさを感じつつ、今日の出来事を彼に報告しようと浮き足立って彼の部屋へと向かう。
     彼の部屋の扉は少しだけ開いており、その隙間からキーボードを叩く音と、時折うんうん唸る声が聞こえる。邪魔をしないように静かに部屋の中を覗くと、先ほどの優しい声とは裏腹に、頬杖をついた彼は難しい顔をしてモニターを睨んでいた。よほど集中しているのか、私がこっそり部屋を覗いていることに全く気付く様子はない。
     普段ならここで声を掛け、この後の予定を擦り合わせていくのだが、彼の邪魔をしてはいけない雰囲気を感じ取る。そのまま声を掛けられずに立ち尽くし、彼を観察していると、彼はがちゃがちゃと音を立ててキーボードに指を走らせたかと思えば、動きが止まり、頭を掻きむしる。いつもなら私がフィールドワークに出かけると言えば、よほどのことがない限りは付いてくるのだが、今日は図鑑のアップデートをしたいと寂しそうに見送ってくれたのだ。そんな彼は今私の想像もつかない相手に難航しているのだろう。
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