あなたと出会う物語 人間なんて嫌いだった。
勝手で、不躾で、嫌な顔で見下ろしながら痛いことをする。
きれいだと、かわいいと撫でたその手で、目隠しをして箱に入れて遠く置き去りにする。
優しいふりをしてわたしたちをだます。
覚えているがいい。
一つ目のわたしの命が終わっても、わたしたちには九つの命がある。
こんな冷たい箱の中で。
見えなくなった目の向こうで。
次に目を開ける二つ目のわたしが、きっと——。
∞Second Time∞
その猫は、元は真っ白な猫だった。
長い尻尾と立った耳、豊かな毛並みと金色の散った青い瞳がその猫の自慢だった。けれどその自慢こそが目立つ原因でもあり、カラスなどの他の動物とも喧嘩が絶えない日々。
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