夢「来世は"個性"が宿ると信じて……屋上からのワンチャンダイブ!!」
今でも鮮明に思い出す。胃液で喉が焼けるほどの吐き気と、汗腺がニトロで爛れる感覚すら伴う痛みを覚えるほどの、激しい嫌悪。
年に2度ほど、出久が屋上から飛び降りる夢を見る。来世にかけてワンチャンダイブをする、夢を見る。
本当ならば、鯉が泳ぐ水槽に落ちたのは、勝己が爆破したヒーローノートのはずだった。
一度瞬きをすると、鯉につつかれる出久が沈んでいた。
水槽に沈む出久を掬い上げる、夢を見る。
あの頃の出久は、人一倍細かったはずだ。
それなのに、学生服に含まれた水分のせいで不自然に重たい。
学生服の袖口から滴る水滴が、水面を揺らした。波紋に掻き消された勝己の顔は、歪んでいた。
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