同棲 それはいつもの店で、いつものようにモーニングを済ましている時だった。
「同棲しませんか?」
茨の突然の提案に、ジュンは持っていたフォークを皿の上に落とした。
「どっ、同棲?同棲って一緒に住むってことですか?」
「そうですよ、それ以外何があるんですか」
茨は呆れたように笑う。
「にしても、急に同棲ってどうしたんですか?」
「事務所の他に拠点が欲しくて、自分の会社名義でマンションを買うつもりなんですが、目星をつけている所が広いんですよね。それで、よかったらジュンもって」
「オレでいいんですか?」
「なんです?別の男と自分が同棲していいんですか?」
「だっ……駄目に決まってます!」
ジュンは茨の冗談が伝わらなかったのか、涙目になっていた。
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