「僕と大地獣、どっちが大切なの?!」今を輝く売れっ子モデル、ファイノン。
太陽のような微笑みと、不意に見せる儚げな表情であまたの女性を虜にしている彼にも、悩みがある。
それは_____
「っほんと!先生ったら僕に見向きもしない!!」
ダンッ、と耳に響くジョッキの音に眉をひそめながら、首の後ろまで赤くしたファイノンを見やるのは、友人のモーディス。
「やかましい。静かにしろ。」
「べつにいいだろうきみの家なんだから」
「俺の家なら尚更だ。」
ため息をついた後、恋に悩めるファイノンに水を手渡し、座り直す。どうやらこの愚か者は恋人が自分に興味が無いと嘆いているそうで、心底どうでもいいが聞くだけ聞いてやろうと腕を組む。
「それでね?!僕が遊びに行こうって誘っても研究で無理って言って……いやわかるんだよ忙しいのは!僕も先生が楽しいならそれが一番いいと思ってる。でも!夜一緒に寝てくれないんだ!誰と寝てると思う?先生お気に入りの大地獣のぬいぐるみだよ!それにまだキスもできてない!手を繋ぐのもこの前やっとだ!」
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