大切な先生からの教え 今日もまたこの液体に包まれたままなのだと他人事のように思考する。この生活にも随分と慣れてしまった。けれどこの生活を苦しいと感じることはすっかり減っている。[[rb:この人 > 先生]]のおかげで。
「おはよう。今の気分はどうだ? [[rb:A-99 > アリス]]」
煙草を咥えて紫煙をくゆらせる。そんな仕草でさえ色っぽくてかっこよく見える人であった。いつも白衣を羽織り、足元を飾るような赤いヒールを履いて歩き回っていた。
幸いにもこの液体と己の身体を囲うカプセルは透明であるためにここまで先生のことを知ることができたのだ。
「ありがとう先生。十分だよ。……今日は何か先生の方が気分良くないみたいだけど?」
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