ちゃうちゃう、こんなんちゃうねん「桐島ぁ」
突然巻田が部屋にやって来た。しかも珍しく元気がなく深刻な顔をしている。気安い栗田ではなく、わざわざ上級生の、しかもどちらかと言うと毛嫌いしているはずの桐島の部屋に来たのだから、何か深い理由がありそうだ。
桐島は座っていた椅子を回転させて向き直り、机に肘を付いた。
「どうしたん?バナナ欲しくなったん?」
巻田が来る理由が皆目見当がつかないため、とりあえずいつもの軽口で返すが、巻田は乗ってこない。目を逸らし、ドアの前でモジモジしている。
「…き、聞きてぇことがあんだよ」
「1月24日生まれのAB型」
聞かれてもいないのに自分のプロフィールを話したのは、「ちっげーよ!」のツッコミ待ちだったのに、巻田には無視される。巻田は顎に手を置き、チラチラと桐島を見てくる。
2505