七九肩で息を吐き、そして身体中が熱された温石のようになっているのを感じる。
「·····熱、い」
暑い、熱い。
己の金丹はこんなに約立たずで愚図っていたのか。
仙師ともあろうものが、更に清静峰の主ともあろう自分が熱に脅かされてるなんぞなにも面白くない。
こんな哀れなそれでいて寝首を搔かれるであろう姿を弟子達には見せられないため有事の際以外は下がるように命じた。
(薬、はどこに置いたか)
朦朧とする意識の中、千草峰が置いていったであろう薬を探す。
投げ捨てられるでもなく、鼠のようにこそこそとせずに薬が与えられるなど昔では考えられない。本当に早くあの家を出ていれば良かった。
「あっ·····」
頭に激痛が走る。身体が動くな、死ぬぞと警告を告げているのがわかる。
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