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    oki

    @okiuni014

    好きなものを好きなだけ。

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    POIPOI 201

    oki

    DOODLEたにしちゃんちの将門さんは苦労が絶えない!#⃣8(テキスト)

    たにしちゃんがクリユニやめようかなんて言うから…。
    ――知ってる。
    彼がどこにいるか。――

    昨晩降り続いた雨も上がり、今朝は天気がいい。
    朝日が差し込む廊下は明るく、窓の桟に付いた水滴が光を反射してきらきらと輝いていた。

    城の端に位置するこの場所は大広間付近とは違い静かだ。
    私がここへ向かう時はルルもナナも付いてこない。
    外から微かに兵士たちの声がする。
    窓から声のする方へ視線を向けながら、廊下を進む。

    遠くに兵士たちと一緒に走っているレオニダスが見える。相変わらずだ。

    廊下の突き当りに位置する扉の前で立ち止まると、そっとドアノブに手をかけた。

    ――知ってる。
    この扉を開けたら彼がどんな顔をするか。――

    ノブを回し、少しだけ力を入れて扉を押すと、ギっと鈍い音を立てて木製の扉が開いた。
    古ぼけたインクと紙のにおいを含んだ独特な空気が顔にかかる。
    手元を見ていた顔を上げると、本棚に囲まれ、脚立に腰を掛けている人影が見える。
    人物に焦点を合わせると、彼と目があった。
    私の姿を認めて、彼は切れ長の目をさらに細めて微笑む。

    ――知ってる。
    口を開いた彼がなんて言うか。――

    「あぁ。おはよう。ずいぶんと早いね。」
    やさしい落ち着いた 1561