ホットケーキとジェラシー[ただいま]
ドアの閉める音と同時に玄関から的場の声が聞こえた。数秒でキッチンの方に着くでしょう、そして
[今日はなに?]
[天ぷらだ]
やった!と言いながら俺たちの寝室に入る。
そうだ、俺と的場はこうして一緒に暮すのは3年が経った。一緒にバンド活動をすると言っても、先に部屋に戻るのはほとんど俺の方だ。何故というと、飯作りは俺の役割。最初は俺と的場が分担されたのだが、ご飯をまつ間にダイニングテーブルから俺の背中をキラキラな目で見て、俺が作ったものを美味しく食べている的場の姿が恋しい。
[どうだった?今日のスイーツ巡りは?]
[美味しかったよ!蓮と万浬くんもそう言ったよ!]
[良かったじゃないか?なに食べてたの?]
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