AIに書かせた達幹あの夏の日、僕は達也と1度だけキスをした。夏休み真っ只中のしんと静まり返った教室で、全身が心臓になったような感覚を今でも覚えている。
「ねえ……」
僕の声は、かすかに震えていたと思う。
「ん?」
達也は優しい声でそう言った。
「もうちょっとこっちに来てよ」
僕もなるべく落ち着いた口調で話すように努めたけれど、やはり少し震えた声になってしまったかもしれない。
「なんだよ、急に改まって」
「いいから……早く来てよ」
僕たちは2人きりの空間にいるはずなのに、なぜか遠くに感じる。
「しょうがないなぁ」
そう言って僕の方に近づいてきた達也の顔はとても穏やかだった。
そして僕らは、お互いの存在を確かめ合うようにゆっくりと唇を重ねた。それは一瞬の出来事のように感じられたし、永遠のように長い時間にも思えた。
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