another1.神代類の激情と幸福論「はぁ、本当に可愛い」
僕の腕の中で幸せそうにスヤスヤと眠る司くんを見ているだけで幸せでいっぱいだ。すぅ、と息を吸えばアロマの香りと混ざりあった司くんのにおいで満たされる。
「僕だけの、つかさくん」
ころころと変わる表情に、感情で色を纏う瞳。
高らかな自信に満ち溢れた声、身振り手振りの大きな動きと反応。
その彼を構成するどれもが、僕を魅力して虜になる。
「君は僕にとっての一等星だ」
やっとの思いで両想いになれたあの日。
酒の勢いはあったけれど、いや酒の勢いがあったからこそ司くんの心がぐずぐずに解れてやっと僕への恋心を見せてくれたのだった。
あれがなければ今でも僕は報われない片想い中だし、司くんは僕への想いを封じ込めて昇華させてしまっていただろう。
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