リョカズの出会い小話昔から父親が嫌いだった。
小学生の頃から、父親に暴力を振るわれていた。助けてくれる人なんていない。母親は小さい時に他界した。
リョウは独りで生きてきた。高校も奨学金で通っている。バイトをして学費を払わないといけない。生活費だって必要だ。
だから学校が終わったらすぐに働くようにしていた。
学校に行ってバイトをして鬱憤を喧嘩で払して寝る、その繰り返しだ。生きているのか死んでいるのか分からない、何も色のない世界。
(何も楽しくねえ、なんで生きてんのかわかんねえな、俺)
そんなある日、バイトに向かう途中リョウを変える出来事が起きた。
いつものように裏路地を通ると不良たちが1人の少年を囲んでいたのだ。
(めんどくせえとこに立ち会っちまった)
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