リドルの3ヵ月「なぁリドルくん、学校の怪談に興味あったりする?」
入学式翌日。
年若い少年の声を初めて聞いた日のことだ。
授業が終わったあと、帰りの準備をしていた時に彼に話しかけられた。
銀の髪にオーロラの瞳。ディアソムニアの彼を彷彿とさせるが、彼よりも髪も瞳もなんだか暖かい色で、肩甲骨あたりまで伸びたそれを乱雑にギュッと一つに縛っていた。
盛大に着崩し腰に巻いたジャケットの内側とベストは藍に近い紫で染まっている。ポムフィオーレ生だが…それにしては随分とズボラな格好をしている。
太陽のような彼、通称ポムフィオーレの異端児は名をヒロユキ・ハーフウィットと言った。
後に一学期の成績で平均ど真ん中を取ることになる不思議な奴。彼の特徴はポムフィオーレ生にあるまじき美意識の低さにあった。
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