幕間カズタマ冒頭先読み「はぁ~あ。あんの激にぶ野郎……」
「なんやシリウス。まーたコンプラにかわされたんか」
午後九時、消灯前。私は合宿所での同室のタマモクロスに同情されていた。
「そうだよ。笑いてぇなら笑えよ……結構攻めてるつもりなのによぉ」
「笑わへんて。シリウスはよう頑張っとると思うで?」
目の前の彼女は眉尻を下げ、うんうんと頷きながら言う。
タマモクロスには合宿初日にトレーナーのことが好きなのだろうと言い当てられて、隠すことでもないと思い肯定した。以降、ちょくちょく部屋でこういう話をする仲になっている。
「つーかさ……お前はどうなんだよ。金髪のこと、好きになったりしねぇの? トレーナーって、本当に自分のために全力になってくれるだろ? 好きになるじゃねぇか、こんなの」
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