小豆日記「お前、怪我してるじゃないか」
そんな声が聞こえて、温かい手に抱き上げられた。
その時の私は凶悪な烏に襲われて羽を怪我してて相手が誰でも抵抗なんて出来なかった。
正直、あー終わったなーって思ったんだけど、私を助けてくれた黒い服の人間は変わった人だった。
手当てをしてくれて懐に入れられた辺りで私は意識を失っちゃったんだけど、気がつけば壁のないあばら家……不思議な家に連れてこられてた。
(えーこんなの家って言えるの??)
だって二階建てなのに壁が全然ない! こんなのどうやって雨風凌ぐの!? 烏とか野犬とか襲ってきたらどうするの!?
不安でプルプル震えちゃったけど、黒い人は全然気にしてなかった。
(なんでこの人平気なの? え、何? 結構図太い人なの?)
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