一人部屋に二人(ジェイルク)「じゃあ、ルークはこの部屋、ジェイドさんはその隣を使ってください」
ケリュケイオンを案内したイクスは、そう言ってルークとジェイドにそれぞれ別の部屋の鍵を渡した。部屋にベッドは一台。元々はビフレスト国との戦争に備えて開発された船だという説明を踏まえれば、相応の広さと言える。
「ちなみに、俺の部屋はあっちで、ミリーナの部屋が……」と案内を再開するイクスに、ルークは上の空で相槌を打つ。おずおずとジェイドに向けられる視線は何事かを訴えていたが、ジェイドは肩をすくめて返した。どう見ても一人部屋だ。ルークがどう思おうが、受け入れるほかないのだ。
静かにそっとドアが開き、音が鳴らないよう慎重に閉められる。ゆっくりとドアノブから手を外し、そしてルークは脱力したように深い溜息をついた。
3346