遠い日の約束村のはずれの森には入ってはならない。
いつからかそんな噂があった。事実、普段見かけない魔物が住み着いていたり、昼なのに真っ暗なほど生い茂った木々は、身近にある植物とは異なっていた。奥に進めば霧が立ち込め、方向感覚が失われ、いつの間にか入口に戻ってしまう。
村民からの要請で調査隊が都から数度派遣されたが調査隊は全て気を失い入口付近に倒れているのか発見された。
いつしか人々は立ち入るの恐れ、噂だけが残った。
森の奥には黒衣の賢者が棲んでいる。
大切なものを護っているから、人々を寄せ付けないのだーーー
「生誕祭、誰と回る?聖なる丘での誓いの儀式のパートナーが見つからないよぉ」
「ーーーと回る約束をしたんだ、良いでしょ?」
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