繋がりは縁を結ぶ「 !早く早くっ!!」
「分かったから、そんなに引っ張るなって!それに司書、だったよな?アイツは良いのか?」
「良いの!それよりも、 の事を早くアイツに紹介したいんだってば!」
「アイツって誰なんだ……って !人の話を聞いてくれよ」
厨房に立っていた志賀は、廊下からバタバタと数人の足音と会話が耳に届く。
あまりに慌ただしさを象徴していた為、何かあったのか?と考えたのだが、声の主の一人が太宰である事に志賀は気付いた。
そして無頼派で太宰や安吾の旧友である檀 一雄の”火宅の人”が有碍書となり、中也と心平とともに潜書している事を思い出す。
(太宰のヤツ、あんなに慌てて。まさか、何かあったのか?いや、あの口振りからしてそうじゃなさそうだけど)
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