ふと、ダークからスケートをしないかと誘われた。
ぼくは運動音痴だから無理だよ…。と言ったら俺が手取り足取り教えてやるからと言われ、彼の熱意に負けてしぶしぶ承諾した。
無様に転んで彼に迷惑かけたくないのに…ってぼそっと呟いたら「お前も才能あるんだからそんなに自分を卑下するんじゃねぇ…。」と小さな声で返された。
それ以上は何も言えなくなって互いに無言になっちゃったけれど嫌な空気は全く無くって、逆に彼がぼくの事を考えてくれているから静かになったのだろうな…と思った。それがわかるかのように彼は淡々と温かい飲み物や手袋等色々と鞄に詰め込んで、これから向かうための準備をしてくれている。
その準備が落ち着いたようで彼は動き出し、自分の部屋から持ってきたのか「服はこれが一番いいと思う。」とぼくに差し出してくれた。
1896