『託した未来のその先』 さながら、闇を照らす光の標のようだった。
「カモン! シューティング・スター・ドラゴン・テックジーナス-エクスパンション!」
電子の夜空へと遊星が手をかざせば、耳朶に響く咆哮が喚ぶ声に応える。刹那、彼の頭上に銀翼の竜が現出した。
片腕の武装から一直線に迸る光を受けて、人の何倍もある機械の巨躯が鈍く輝く。翼から溢れた光は細氷の如く、粒となってきらきらと零れ落ちていた。
粛然と主の命を待つ竜を見上げ、遊星の傍らにいた決闘者――ブルーノは感嘆の息をついた。
タッグデュエル大会の場へと足を運んだのは、決闘者としての好奇心からだ。再び記憶を取り戻したばかりで平時の時間を持て余していた、という部分もある。パートナーはランダムに選ばれると聞き、どんな決闘者と組めるか心躍らせていたところに巡り合ったのが遊星だった。
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