どうか、さめてもこのままで 前編 今夜は、久しぶりの飲み会。ジョニーに声をかけられ准将の部屋に招かれたグラウは、バレットワークスのメンバーと和やかに、そして賑やかに酒を飲み交わしていた。
強かに酔って騒ぐ者、床に突っ伏している者、アルコール臭が苦手でそもそも来ない者。多種多様なメンバーだったが、宴も酣になってきたころには、いわゆる年長組からちらほら自室へ戻り始めていた。
「空いた缶、下げてきますね」
男ばかりの飲み会である。上官の部屋でもお構いなしに容赦なく散らばる空き缶を、グラウは一つ一つ拾い集めて部屋の外にまとめていた。尤も、部屋の主人は「こんなものだろう、男ばかりの飲み会は」と大らかに笑っているが。
「ルーキー、手伝うぜ」
共同キッチンで缶をすすぐグラウの後ろから、残りの空き缶を持ったジョニーが声を掛けた。強かに酔ってご機嫌の様子の彼が、シンクの脇に缶を並べていく。
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