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    neko_dxm

    @neko_dxmのデモエクファンアート置き場です 創作ルーキー勢

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    neko_dxm

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    前後編。ディアグラ(←ジョニー) バレワ飲みに誘われてじょにに迫られたり両片思いのブロくんと懇ろになる話。まだ致してないので全年齢です。えちちは後編で書いてます。
    世界線など決めていなく敢えてぼかしていますので、補完しつつ何でも許せる方向けです。

    ##うちのこ
    ##グラウ
    ##ディアグラ
    ##ディアブロ

    どうか、さめてもこのままで 前編 今夜は、久しぶりの飲み会。ジョニーに声をかけられ准将の部屋に招かれたグラウは、バレットワークスのメンバーと和やかに、そして賑やかに酒を飲み交わしていた。
     強かに酔って騒ぐ者、床に突っ伏している者、アルコール臭が苦手でそもそも来ない者。多種多様なメンバーだったが、宴も酣になってきたころには、いわゆる年長組からちらほら自室へ戻り始めていた。

    「空いた缶、下げてきますね」

     男ばかりの飲み会である。上官の部屋でもお構いなしに容赦なく散らばる空き缶を、グラウは一つ一つ拾い集めて部屋の外にまとめていた。尤も、部屋の主人は「こんなものだろう、男ばかりの飲み会は」と大らかに笑っているが。

    「ルーキー、手伝うぜ」

     共同キッチンで缶をすすぐグラウの後ろから、残りの空き缶を持ったジョニーが声を掛けた。強かに酔ってご機嫌の様子の彼が、シンクの脇に缶を並べていく。

    「ジョニーさん! ありがとうございます。助かります」

     夜も更け、誰もいない共同キッチンに二人の声がこだまする。グラウは元々アルコールに強い方ではない。そのため飲む量を制御しながら、時々酔い覚ましに部屋とキッチンを往復していた。
     ふと、ジョニーが横に並んだグラウに目を遣る。

    「……あのさ」

     こちらに横顔を向けて缶を濯ぐグラウの、束ねられた銀色の髪に映える紅を含んだ小さな耳。透き通る白い肌は、普段よりも紅潮して甘い香りがしそうなほどに色っぽかった。生唾を飲みながら、ジョニーがグラウの腰に手を添える。

    「ひゃ……じょ、ジョニーさ……えっ?」

    「このまま俺と抜け出そうぜ」

    「え、抜け出すって……」

    「ずっとこうしたかったんだ……もう我慢できなくてさ。なあ……ダメか?」

     ジョニーが腰に回した手を引き寄せると、驚いた顔のグラウが身体を強張らせる。ジョニーの端正な顔立ちがすぐそこにある事を意識すると、その紅かった顔が更に真っ赤になった。

    「ま、待ってください、わたし……そんなつもりじゃ」

     逞しい腕に引き寄せられ、グラウは酔って鈍くなった頭脳で必死に考える。あまり強い力で抵抗したら嫌な思いをさせるかもしれない、けれどこんな場面誰かに見られたら……でも、わたしが、わたしが本当に気になっているのは……

    「おい。ジョニー・G。飲み過ぎだ」

    「ディアブロさん!」

    「げ、少尉っ……」

     全てをかき消すように、凛と響いた声。見ると、輪から外れてちびちびと呑んでいたはずのディアブロが空き缶を持って立っていた。
     ジョニーが驚きと焦りを隠せず、グラウから離れる。

    「黙っておいてやるから顔でも洗ってこい」

    「わ、悪かったよ。行ってくる……ルーキーも、ごめんな。忘れてくれ」

     呆れた声のディアブロとすれ違うように、憔悴しきったジョニーが足早にその場を去る。残されたグラウは早鐘のように鳴る心臓を押さえつけながら、ディアブロと見つめ合った。彼女が思い浮かべたその人こそ……

    「はあ。お前も酒ごときで隙を作るな」

    「ご、ごめんなさい。ありがとう、ございます……」

    「ああ.、いや……違う。いつもオレが助けてやれる訳じゃない」

     いつになく苛立った様子のディアブロに思わずグラウが萎縮すると、彼は些か慌てた様子で優しく釈明した。持っていたハイボールの缶をシンクに入れると、ディアブロはすぐに踵を返す。

    「お前もそろそろ切り上げたほうがいいんじゃないか。帰れなくなるぜ」

     背中越しに言葉をかけて、やがて彼は見えなくなった。



    「戻りました。あの、わたしそろそろ……」

    「YO!まだまだだぜ上等兵!アツいリリックが分かってねえ!」

    「か、勘弁してくれええ〜」

     グラウが部屋に戻ると、アーティストとジョニーが(およそ一方的な)ラップバトルに興じていた。熱いリリックを刻めたほうが勝ち、負けた方はテキーラを呷るのだそうだ。
     辺りを見渡すと、酔いつぶれていない人間の方が珍しい。グラウは一人一人を介抱したほうがいいのか少し迷ってから、准将へ丁寧に帰宅する意思を伝えると、荷物をまとめ始めた。

    「もう夜も遅い。ディアブロ少尉、彼女を家まで送ってやれ」

    「オレが?……分かりました」

    「え、あの、大丈夫です!わたし一人で帰れますから……」

     気がつけば、数刻前に日付が変わっている。グラウが住む居住区はバレットワークスの宿舎からさほど離れてはいないが、真夜中の街を女性一人で歩かせることを准将は佳しとしなかった。
     水を差すような事をしているようで後ろめたくなったグラウが恐縮するが、上官命令は絶対である。グラウは感謝し、大人しく甘えることにした。



     およそ全ての明かりが消え、人影のなくなった通り。グラウの家は、この通りを抜けた居住区の奥にある。
     先の一件から、グラウの胸がずっとざわついている。酔っているせいなのか、ジョニーに迫られたせいなのか、ディアブロに見られたせいなのか、それとも……
     ディアブロは何も喋らない。
     静かすぎる街、何も話さない彼、グラウは心臓の音が外へ聴こえてしまうような錯覚を覚えた。

    「……あの、さっきは」

    「あいつが好きなのか」

    「えっ」

     二人は沈黙に耐えきれず、同時に話し出した。その事に驚いたのと、ディアブロの問いかけの意味が分からなかったのと、両方の意味でグラウは素っ頓狂な声を出してしまった。今、なんて……

    「ずっと知っていた。あいつはお前を想ってる。オレはお前たちの邪魔をしたか?」

    「え、えと……それは……それって……」

     いつになく饒舌で、少しだけ、ほんの少しだけ不安そうな声だった。
     相変わらず彼はこちらを見ない。グラウはどのように答えたら誤解なく彼に伝わるかを酔いの回った頭で必死に考える。どのように説明すれば彼を困らせずに伝えられるか。そして、どのような言葉を尽くせば彼に想いが伝わるのか、と。
     しかし、彼の問いかけに効果的な答えを出せず言葉を探すうちに、グラウの自宅へ到着してしまった。

    「……困らせたな。忘れてくれ」

    「……っ!」

     ディアブロがドアの前でいつになくばつが悪そうに肩をすくめる。背を向けて宿舎へ帰ろうとする彼の袖を、グラウは衝動的に引っ張っていた。

    「……おい、」

    「わたしが好きなのは貴方です」

    「っ……」

     流石に驚いて何か言いかけたディアブロの言葉を遮って、グラウが小さな声で告げた。
     世界から音が消え去ってしまったかのような沈黙の中、グラウは何度も瞬きをする。今度はディアブロが返す言葉を失ったようで、完全に固まってしまった。
     言ってしまった、けれどここまできたらもう引き返せない、グラウはそう念じながら、深呼吸した。

    「ずっと想っていました。今日も、とっさに思い浮かんだ顔はディアブロさんの顔でした……」

    「そんな、オレはてっきり——」

    「だけど、伝えたらこの関係が壊れてしまうようで、他のメンバーの方にも迷惑を掛けてしまうからと……言えませんでした」

     堰を切ったように言葉が溢れだす。

    「お酒の力を借りないと言えないなんて、いくじなしです……けど、」

     ディアブロの袖を握りながら自嘲気味に笑うグラウの手は、汗ばんで震えている。怖くて顔を見ることができない。困っているのか、怒っているのか、もしくは……と、心の中で弱音を吐く。そして、だけど、と思い直す。
     ここまで来たらもう、進むしかない。
     深呼吸して視線を上げると、ディアブロの顔が暗い中でもはっきりとわかるくらいに真っ赤になっていた。
     掴んでいた袖から手を離し、今度は彼の大きな手のひらを両手でそっと掴む。

    「わたし、まだ一緒にいたい……です」

    「……っ」

     グラウの口から告げられた、終わりの合図。それはもう二度とこれまでの関係には戻れない事を意味していた。
     彼女の潤んだ瞳に、月明かりが昏く揺らめく。ディアブロは、その瞳に射抜かれて初めて、自分の気持ちと向き合わざるを得なくなった。
     他の男と話しているのを見ると胸がざわつく事。ジョニー・Gと一緒にいるところを見て、気づいたら後を尾けていた事。家まで送る、その時間だけは彼女を独占できるから嬉しかった事。類稀なる能力を持つ新人としてだけでなく、一人の人間として彼女に惹かれている事に。

    「——オレだって、飲まないとこんな事できない」

    「え、……!」

    「好きだ。オレのものになってほしい」

     握られていた手に力を込めると、華奢な身体があっけなくこちら側に傾く。ずっとこうしたかった、と言い掛けて辞めたのは何故だっただろうか。一瞬だけ考えて、一回りも小さな彼女をきつく抱きしめた。
     早鐘のように煩い鼓動は間違いなく彼女に伝わってしまっているだろうが、酒が回っているせいにしておこう。と念じて身体を離すと、グラウが何か言う前にその唇を塞いだ。

    「ん……ディアブロさん……嬉しい……」

     啄むように、お互いの気持ちを確かめ合うように口づけを繰り返す。そうしていくうちに少しずつ時間が長くなり、深くなっていく。背筋をぞくりと情欲が駆け上っていくのが恐ろしくて、ディアブロは中に入ろう、とキスで蕩けきった彼女を促した。
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