掌編小説(ロビエド)①1.『もう一度、あの夏で』
(※ワンナイトロビエド)
一度だけエドモン・ダンテスを抱いたことがある。
常夏の開放感に酔ったのか、繰り返される修羅場のせいで判断に鈍ったのか。
どちらが誘ったのかすら朧気だが、何回目かのループの夜に衝動的に2人ベッドへ雪崩れ込んだ。
普段は死人のように白い肌が赤く色づく様や、控えめに溢される吐息に、ひどく興奮して貪り尽くした。
激しい夜が明け、特異点が消滅してからというもの、彼とはほとんど顔を合わせていない。
それでも、あの夏の夜の熱を思い出す度に、胸に焦げ付くような痛みが走るのだ。
2.『泣くくらいだったら、笑ってやる』
(※カルデア最後の日の前夜)
エドモンを抱き寄せると、彼は抵抗することなく腕の中に収まった。
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