yota @yota_hana 呪の五七・右七主に倉庫練習用 短文多めです※CP雑多になりますのでご注意ください ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji POIPOI 2
yotaDONE五七版夏の企画でツイに投稿したもの、その2です。お題:「二度目」お付き合いしたての大人五七です。恋愛下手?な五条さんと、ずっと片想いをしていた七海さんのお話。五七版夏の企画その2「二度目」 自宅だ。まごうことなき自分の家だ。 一LDKで、とりわけキッチンの使い勝手の良さを気に入っている。自分自身のためだけにしつらえた、特別な空間だ。 その空間のなか、七海はリビングにあるソファに腰を落ちつけていた。今日は久しぶりの休暇だった。コーヒーを片手に、七海はハードカバーのページをゆったりとめくる。 この本は、買ってから積んであったもののうちの一冊だ。見開きを読み終えるごとに、指先を繰る。本の城壁を少しずつ、着実に突き崩していく。その時間のありがたみを、ただ静かに噛みしめる。 休日はいつもこうだ。好きなだけ本を読む。料理をする。そうやって自分の、自分だけの時間を満喫する。 「あ、あのさ」 だが、今日は違う。否、これからは違う。 2518 yotaDONE五七版夏の企画でツイに投稿したものです。お題「クチナシ」お付き合いしている五七です。※途中から事変後の内容に触れています。ご注意ください。五七版夏の企画「クチナシ」「ね、七海! あれたべたい!」 つらつらと続いていた声のトーンが、ひときわ高いものになった。 革張りのソファに投げ出された五条の長い脚が、ばたばたと上下に振れている。そのやかましい動きが、隣に座る七海の視界の隅に引っかかる。 「あれ、とは?」 七海は目線を上げることなく問いかけた。本は今まさに佳境に入ったところだ。ここで切り上げるという選択肢は、七海のなかに存在しない。 「あれだよ! えーっと、あまくて黄色い、そう、オマエがお正月に作ってくれたやつ!」 「もしかして、栗きんとんですか?」 「そう、それそれ!」 五条のつま先がぴん、と伸びた。彼が履いている紺色のスリッパのかかとも、そのつま先の動きと連動するかのように、床に向かって真っ直ぐに垂れている。 2493 1