拗ねる 真選組監察、山崎退は仕事に誇りを持っている。
それは仕事とあらば命をも賭して果たそうという覚悟であり、きたるべきときには自分は迷いなく殉じるであろうという自覚もあった。
だから隊士に監察はあんぱん食ってミントンで遊んでるサボり雑用係だの、アサガオかヘチマの観察係だの言われたら、それはそれは拗ねたくもなるのだ。
一時は忍者教習所仕込みもとい、竹輪もとい破竹の活躍で特別功労者として表彰されたものが廊下に張り出され、山崎の認知度が上がった。だが、人間は喉元過ぎれば熱さを忘れる。
あの日、少年が母親に、絶対やるから! 今度こそ進研●ミ続けるから! と誓った意志は三ヶ月もたないものだ。
つまり、また隊士に存在を忘れられた。
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