越後(echigo) 腐女子。20↑。銀魂の山崎が推し。CPはbnym。見るのは雑食。こことpixivに作品を置いてます。更新頻度と量はポイピク>pixiv ☆quiet follow Yell with Emoji POIPOI 277
ALL 或監察 落書き 小説 Harmonize R18 こぐまさがる 万山 Beautifuldawn さがやまワンドロ SUPERNOVA Brandnewdays 篠原ワンドロ クロスオーバー 越後(echigo)DOODLE或監察シリーズ。あるめんどうごとのすけっと。山崎が万事屋から定春の散歩を押し付けられる話或面倒事の助人 過ごしやすい気温が徐々に上向きになりつつある。行楽地は花の盛りをむかえているだろう。 お江戸の街中でも陽気に浮かれ、調子にのるものが出やすくなる季節だ。警察としては気を引き締めてことにあたらねばならぬ時期でもあった。 そんな中、真選組監察山崎退の手の内には紐がある。 捕物用の綱ではない。荷造り用ロープでもない。リード、いわゆる犬猫用の散歩紐である。 散歩紐の先には、当然ながら犬がいる。 ふわふわの白い毛皮のそれは、ピンと立った三角耳に凛々しい眉毛。黒く丸い瞳は賢そうな光をたたえている。何より特徴的なのが、山崎をゆうに越えたその体格。子供どころか大人だってゆうゆうと背に乗せて駆けることができるだろう。 8648 越後(echigo)DOODLEあるりょうぶんのさいてきかい。!注意!暗い話です。或監察シリーズ。山が攘夷浪士の組織に潜入捜査する話。モブキャラの出番が多いです。シリアスでギャグほぼなし。或領分の最適解 「山崎」と呼ばれていつもどおりに「はいよ」と答えた。 ただし、ここは真選組屯所ではなく、過激派攘夷浪士組織『[[rb:出魅愚乱巣 > でみぐらす]]』のアジトである。 山崎は「場所は変わったのに俺のやることって変わらなくない?」と、本来の上司に知られれば鉄拳制裁ものの思考をめぐらせていた。世は浮かれた者も出だす春先というのに、己はピリピリした空気の漂うレンタル倉庫内で、居丈高な指示に従って厳重に梱包された木箱を持ち上げている。 腰にくるなあなどと思いつつ、えっちらおっちら別の倉庫へと移動した。そこには同じような木箱が左右に振り分けられ、積み上げられている。すべて移動させるまで飯抜きだと、刀を腰に指した男が吠えていた。それを山崎はじめ、下っ端の構成員たちは黙って聞いていた。 9177 越後(echigo)SPOILER「がんばったね、お兄ちゃん」-或正体の本質 越後(echigo)DOODLE!注意!山崎いません。或観察小説のモブを描いてます。ただ容姿決定というより、越後の中の描きたかった絵です。本編とは無関係1,2「或夢見鳥の安寧」「或信念の終着点」3,4「或視点の行方」「或客人の会得」「或裁量の有様」 5 越後(echigo)DOODLEあるしょうたいのほんしつ。名前のあるモブ視点です。銀魂本編に登場しない捏造用語があります。或正体の本質 藤太は妹の手を引いていた。 平日の昼前にもかかわらず、大江戸ランドは人でごったがえしている。 受付にて「子ども二枚」と背伸びをしながらよれた招待券を渡す。 受付係の女性は「子ども二枚」と事務的に繰り返し、ちぎった半券を寄越した。 空いた方の手で受け取り、あらためて妹の小さな手をぎゅっと握る。はじめての遊園地に目を輝かせる妹は、早くとばかり兄の手を一度引っ張った。 彼の背にはずしりとした、行きがけに母親の持たせた二人分の水筒と弁当がはいった袋がある。 藤太の家は下町の食堂だ。今朝も幼い妹を着替えさせながら、準備に忙しなく動く二親を横目に見ていた。 藤太には、両親と三人そろって話した記憶がない。妹が生まれてからはなおのこと、親の空いた時間はすべて妹にむけられてしまう。妹の首がすわってからは藤太が世話係となり、最近通い始めた寺子屋もなかなか行くことが難しい。 5473 越後(echigo)SPOILER一度、或監察シリーズで自分用に本を作ったときの挿絵です。「由無し事~陰日向」までのネタバレ 2 越後(echigo)DOODLE或監察シリーズ。あるもうまいのこうでい。!注意! 気分が良い話ではありません。或蒙昧の拘泥 おふねは幸せであった。 小料理屋のお運びは性に合っていたし、器量よしの看板娘としてちやほやされるのはもっと具合が良かった。 おふねのいいひとはここの常連客で、羽振りもよい。言うことをよく聞いて、ほしいものは手に入れてくれる。男とやりあえる頭の良さと気性が気に入ったのだと言ってくれた。おふねは満更でもなかった。 最近、新人が入った。亀子と名乗った女は、幼く映る見目よりも、ずいぶん年かさのようだった。地味な彼女は名前の通りのグズでのろまで、間が抜けていた。 周囲から邪険に扱われるのをかわいそうに思い、おふねはよく目をかけ、ときにはかばってやった。亀子がこちらを慕う目で見上げるのは心地よかった。いろいろと覚えの悪い亀子はよく迷子になっているようだったし、ものの場所を忘れてしまうようだった。そんなとき、気まずいのかこそこそと、おふねだけにものを聞きに来ることがあった。快く教えてやると、頭を深く下げて礼を言う。 3255 越後(echigo)DOODLEお題箱でいただいた「みずあそび」です。 3 越後(echigo)DOODLE或監察シリーズ。あるぼうしつのほうべん。モブがよく出る或忘失の方便「オイばーさん、ばーさんいねェのかー? ……おーいババア、くたばったァ!?」 「ちょ、ちょっと旦那……」 死んだ魚の眼をした銀髪の天然パーマは、『準備中』の木札が下がったきしむ引き戸を開けるなり、挨拶ではなく雑言をのたまった。その横であわあわと咎めているのはいかにも地味で印象に残らない男である。 慌てながらも男がちらりと認めた室内は、いかにも下町の食堂といった雰囲気なのだが、さすがに早朝ではがらんどうで異質な空気を漂わせている。そこにどすどすと奥から生気に満ちた足音がしたかと思えば、杖をついた割烹着の老婆が顔を出した。 「うるさいねェ! レディの身支度も待てないのかいアンタは!」 「あ? 死に化粧なら棺桶でやってもらえよババア」 8152 越後(echigo)SPOILER「或信念の終着点」ラストのネタバレ。 越後(echigo)DOODLE或監察シリーズ。モブキャラの出番が多い。戦闘描写あり。死ネタあり。或信念の終着点 賭場のすえた空気は馴染めば気にならぬものだが、屯所に帰る前には落としておかねばならぬ厄介な臭いだ。 山崎はそんなことを考えながら、手元の札を数えた。勝ちもせず負けもしていない地味なやくざ者が、児の手慰みのような素振りをしていても、熱狂のせいか周りは気にもとめていない。賭博の審判員にして進行役の[[rb:中盆 > なかぼん]]の、丁か半かと威勢のよい声に各々が返し、山崎の声もそのうちにある。 無認可の鉄火場に手配中攘夷浪士の姿ありと情報を仕入れ、ヤクザものに扮して潜入し三日になる。らしき影は認めたものの、表立って出ることはない。どうやら金欲しさに用心棒を請け負っているらしいが、指名手配の身で出しゃばる馬鹿ではないようだ。 14760 越後(echigo)SPOILER小説「或監察シリーズ」の「由無し事」から「陰日向」までのネタバレ個人で本にしたときの挿絵まとめです 2 越後(echigo)DOODLE※モブあり 「或客人の会得」 越後(echigo)DOODLE或監察シリーズ。あるさいりょうのありよう。モブがすごく出ます。或裁量の有様 真選組屯所に人が集っていた。大半は騒ぎを聞き付けた野次馬である。 人だかりの中心には、怒鳴りちらす二の腕に墨の入った男がいた。門前で一人の隊士に食ってかかっている。その「いかにも」な風体は、肩をいからせながら唾を飛ばした。 「おいおい一体どうしてくれんだよあァ!? おたくのせいで、うちの娘は歩くことばかりか立つこともままならなくなっちまったんだ!」 「ですからそれについては、一昨日の相談のもと、相応の」 低姿勢で丁寧に応対する隊士の言い分にかぶせて、男はずいと身体を乗り出す。 「あれっぽちの謝罪だのカネでこっちを丸めこもうたってそうはいかねえんだよ! お上とはいえ、人の情ってもんがあるならもう少し考えるもんだろォ?」 7320 越後(echigo)DOODLE或監察しりーず。あるこせがれのとおまわり。山崎と金さん。やっぱり山崎に夢を見ている。でも山崎の出番が少ない。或小倅の遠回り 日照る夏のこと、ひとりの男が工具箱を片手にかぶき町を歩いていた。ブルーの作業着に、同じ色のキャップを深く被っている。わずかに見える髪色は、陽の光を受け輝く金。鮮やかな碧眼に、端正な顔立ち。この炎天下に歪むこともなく、汗のひとつもかいていない――機械からくり・坂田金時は住まいである源外庵を出て、万事屋へと向かっていた。 テレビが付かなくなったと、天パ侍が平賀源外へ修理依頼をよこしてきたのだ。しかも物臭な面々は、台にしっかりと設置してあるテレビを取り外すことは早々と諦めており、源外に来るように要求した。年寄りを炎天下に歩かせんじゃねえよ、ともっともなことを言った爺に、受話器の向こう側の奴が何やらごねたらしい。普段から行儀が良いとはいえない爺さんは、しまいにはうるせえ! と受話器を叩きつけていた。ソファに腰掛け、手元の玩具を修理しながら一部始終を見ていた金時が、くくっと喉を鳴らす。 4523 越後(echigo)DOODLE自作小説の三人やまざき 3 越後(echigo)DOODLEあるまろうどのえとく。或監察シリーズ。モブというか割りとオリキャラが出張る感じになりました。或客人の会得 特別武装警察真選組屯所の玄関先、鬼の副長を前にして、新人隊士がすくみあがっていた。 間が悪いところに来ちゃったなあ、と山崎は内心うんざりする。回れ右をしたいところだが、手に持った書類が許してくれない。それに、今にも泣き出しそうな新人隊士は幼い子供の手を引いていた。どうやらその子供のせいで鬼が瞳孔を開き、子供のおかげで怒鳴り声までは至っていないらしい。 「あのー、ふくちょー……」 意を決して声をかけると、一応子供に気を遣っているつもりなのか、火の無い煙草を咥えた副長がガンを飛ばしてきた。こちらの書類を認めると、顎でそこにおけと示してくる。口を開くと怒鳴りそうなのだろう。おそるおそると鬼の横に書類を置きながら、 9874 越後(echigo)DOODLE或監察シリーズ。それは山崎に夢を見ているシリーズである 越後(echigo)DOODLE或夢見鳥の安寧。仕事を持ってきたら山崎がニワトリと戯れていた件 越後(echigo)DOODLEあるなんじのかげひなた。真選組ものでシリアスより。モブ目線から始まり、モブがよく出る。山崎に夢見てる度が当社比ですごく高いです。或難事の陰日向 うららかな日が、仕事場の与兵衛よへえの膝下に明かり溜りを作っていた。与兵衛は飾り職人である。今のお江戸では、天人のもたらした技術で自動化のすすんだ工場が立ち並んでいた。可憐な細工物であったり、絵付けは今や量産され、民衆に広まっている。 しかし、与兵衛のような昔ながらの手仕事も、常連客がつけばそこそこに暮らしていける。少なくとも、妻と赤ん坊を養うのには十分だ。 与兵衛が小さなトンカチをふるうたび、魔法のように土台に乗せた銅板に絵が描かれる。ひとつ工程を終え、静かに息をついた。すっと戸を開けて、妻のおふくが顔をのぞかせた。 「あなた」 少し冷ました茶を手に、廊下から声をかける。与兵衛が頷いた。 「坊は」 6051 越後(echigo)DOODLE或夢見鳥の安寧のおまけ。山崎が出ない。モブと銀時が出る。流血、死亡表現があります。或夢見鳥の、よるべない話 これは十年も前のこと。 攘夷四天王がうちの一人、白夜叉こと若き坂田銀時は、同じ年ほどの千吉という者と行動していた。 今日は鶏肉が手に入った。その報に、いくら食しても腹の満ちることのない若人共は浮足立った。人たらしの伝手らしいが詳しいことは知ったことではない。分け前をもらい、飯の準備にとりかかる。 戦場でゲリラなんぞやってるときに、肉が食えるのは幸運中の幸運だ。銀時と千吉、この二人もにわかに心をわきたたせる。煙や匂いを目立たなくさせるために、焼くより煮る方が良い。葉などで火元をこっそり隠し、肉たちを簡易の鍋に放り込んだ。味つけは手持ちの塩のみだ。 いい具合に煮炊ったころに、ぽつり、と千吉がつぶやいた。 1307 越後(echigo)DOODLE或監察シリーズ捏造はいってる篠原、原田の出番多め。主要キャラ以外の死亡ネタあり。或夢見鳥の安寧 真選組屯所の一角にて、ある日のことであった。 差し向かいで、山崎と篠原は話していた。彼らの会話内容は外には漏れ聞こえぬよう、綿密な注意を持って行われる。これは、隊士にも機密の多い監察という部署の習いだ。 「山崎さん、あの件について……」 ここっ。 「うん、篠原は……」 くっ、こここっ。 「では、ここで控えを……」 こけっ。 「そうだなあ。十番隊の先見が……」 こここここ……。 「山崎さん」 こけっこここ、くっくっこっこっこっ……。 「それ、どうにかなりませんか」 「無理」 こめかみを震わせる篠原に、げっそりした顔で山崎は答えた。 その頭には、立派な雄鶏が座っている。赤く立派な冠、大きく白い羽根と、つややかなクチバシ、鋭い目。品評会にでも出したらいい線行くのではないだろうか。いや、鶏の品評会のことなんて分からないけど。山崎は苛立ちを隠せない篠原の前で、現実逃避をしながらため息を付いた。 5246 越後(echigo)DOODLEオリキャラ視点からはじまるやつ。全年齢。或語部の追想 幕府より任ぜられた仕事を全うし、引退して六年、京から江戸に移り住んで二年、終の棲家と定めた邸に客を招いた。 朗らかな若者は私に初めて会ったとき、己を物書きだといった。差し出された名刺には、出版社と雑誌名、そして青年の名前が記されていた。あちこちから話を聞いて、攘夷志士の記事を書くのだという。何故今更と聞けば、今こそ必要なのだと真剣な目をこちらに向けてきた。柔和な面差しと輝く目が、どこか私の元を去った三男坊に似ていた。だから気が向いたのかもしれない。日を改めさせて、邸に迎え入れた。 招かれた青年は緊張しているのか、客間をきょろきょろと落ち着きなく見渡していた。私が椅子をすすめると、恐縮したその姿勢のままちょこんと座る。それなのに、私が対面に腰掛ければ、ごそごそと手帳と筆記具を取り出し、今にも身を乗り出さんばかりだ。失礼ではあるのに何処か仕草には愛嬌があり、憎めない青年だ。 3196 越後(echigo)DOODLE「或視点の行方」 越後(echigo)DOODLE山崎がかまっ娘倶楽部に潜入捜査する話。女装あり。というよりずっと女装してる。オリキャラオカマが出張ります。原作くらいの残酷表現と下ネタあり或蚊虻の決着点 ネオン煌めく眠らない町、かぶき町。明日をも知れぬろくでなしどもが、夜の蝶が舞い踊る中で酒を浴びる。そんな店のひとつがここ、「かまっ娘倶楽部」だった。 「いや蛾だよね、蝶っていうかむしろ蛾」 「ちょっとザキ恵~、何ぶつぶつ言ってんのよぉ」 「あ、すんませんアゴ美姉さん」 「あずみだゴルァ! テッメ、オカマなめてっと引っこ抜くぞ!!」 今宵、蝶の中に一風毛色の変わった――狗一匹。真選組監察、山崎退の姿があった。 ラメ入りアイシャドーに赤すぎる唇、ナイトドレスからそこそこ逞しい二の腕を露出させた外見は分かりやすくオカマの印象を相手に与え、加えてウィッグとヘアアクセをわざとけばけばしく盛ることで、元々の男性・山崎退の印象を薄くしていた。でも知り合いに見られたら死ねるよこれ。余裕で死地に赴いちゃうよ、大事な何かが。山崎は死んだ目で日本酒ケースを持ち上げ、ため息をついた。 9168 越後(echigo)DOODLE全年齢ギャグ。山崎に相変わらず夢がつまっている。真選組への捏造過多。同じく捏造された監察方(篠原、吉村)がちょっとだけ出ます。山崎がかわいそうな扱いをうけるシーンがあります或祭騒動の裏側 今日の真選組屯所は、なにやら朝から慌ただしかった。 出歩く隊士がやたら多く、併設された道場で素振りする者、敷地内のあちこちを歩いては観察する者、複数で寄り合って何かを相談している者、と、普段とは明らかに様相を違えている。また、見る者が見れば、そのほとんどが年若い、そして最近入隊したものばかりだということに気づくだろう。古株、特に隊長クラスの者たちはいつもと変わらぬ動きである。ただ時折、慌ただしさに何かを楽しむように目を細めたり、こっそり笑みをこぼす者もいた。 このちょっとした騒ぎは、これから始まる祭りの前哨戦である。 対テロ組織特別警察である真選組は、その用いられ方から、他の警察組織よりもやや腕っぷしを基準に採用する部分がある。その腕というのも、一通りの道場剣術をおさめるというより、実践で使えるかどうか、を見るところがあった。隊長格と対する試験などがそれに当たる。 5928 越後(echigo)DOODLEずやと山崎。全年齢小説。女装あり。山崎にだいぶ夢みてる。会話の仕方の元ネタは浅田次郎先生「天切り松 闇がたり」シリーズ或顔貌の変遷 午前のかぶき町には、まだ静けさがある。眠らない町の看板は夜に明かりが灯ることが多いからだ。そんな中の『万事屋銀ちゃん』は不定休、開店時間不明、ついでに時価という回らない高級寿司屋級の運営を行い、従業員のメガネとかメガネは「よくこんなんでやっていけますよね。いややっていけてないよね。給料いつ払うんだよマダオ」とか、ぶちぶち文句を――いやこれは今はいい。とにかく、万事屋はいつでも依頼ウェルカムと門戸を広く開けている。 今日は珍しく依頼人が、万事屋社長・坂田銀時と差し向かいで話し込んでいた。 「――と、いうわけです。旦那。受けちゃもらえませんかね」 ひととおりの依頼説明を終えて銀時の返事を伺うのは、真選組監察・山崎退だ。 2940 越後(echigo)DOODLECPでも夢でもない全年齢山崎小説オリキャラ視点から始まり、最初から最後まで出張るやや残酷表現あり趣味500くらいの勢いで書いた或視点の行方 はるは、もう数えの六つになる。 身体の弱い母様にはしばらく会えていないが、ちいとも寂しくなかった。ただたまに、寺子屋の先生に褒めてもらった手習いを見せられなかったり、母親に手をひかれて帰る学友を見たときには、ご飯の味がしなくなる。 でも、はるの傍には、宿を営む家に雇われた、にいややねえやがたくさんいるのだ。みな優しく、暇をみては、はるの相手をしてくれる。手伝いをすれば褒め、飴などをくれるときもあった。元気なはずなのに顔も見せなくなってきた、お祖父様や父様よりよほど近くにいてくれる。 たまに会うお祖父様や父様は「おさむらい」の凄さを口を酸っぱくして語る。でも、はるが物心ついたときから知っている「おさむらい」は、ひとつは酒を飲んで博打を打ち、何かあれば腰の物に手をかける乱暴者だ。女中のねえやに嫌な物言いをしたりするのも好きではない。 5062 越後(echigo)DONE山崎+ティーンの組み合わせがすき。腐要素なし。全年齢。山崎と万事屋の子中心。銀さん出番ないです。原作程度の月→銀描写があります或日和の由無し事「山崎さん! これはなんスか?」 「ん?」 一緒に倉庫整理をしていたテツが大声を上げた。元気だなあと山崎は勤務明けの重たさが取れない身体で振り向く。 ――テメェ、暇になったんならテツに雑務を教えて使えるようにしろ。 そう、書類の山を見すぎて瞳孔が乾いた副長から命じられた。その暇はさっきまでの俺の激務から生まれたんですけどね! とは言えるはずもない。廊下に控えていたテツを連れ、とりあえず簡単でリスクの少ない、ほとんど使われていない倉庫の片付けを一緒に始めることにした。 土方の小姓になったテツこと佐々木鉄之介は、最初こそ素行のひどいお荷物だったが、今では礼儀正しく言われたとおりによく働く。しかしまだまだ未熟で、一人で何かを任せられることが少ない。本人もそれは身にしみて分かっているようだ。今回、臨時教育係になった山崎の指示を漏らさず聞こうと耳を傾けては質問し、積極的に動き回っていた。 13813 1