指に触れるハインラインの隣に座り、他愛もない話をする。
直接確かめたことはなかったが、何か理由がなくとも隣に在ることを許されていると思う。
「ハインライン大尉」
緊張が窺える声をかけられる。
見ればハインラインの部下が少し蒼褪めた顔をして立っていた。休憩中のハインラインへ声を掛けるのを躊躇っていたのだろう、先程から視界の隅にいた青年だった。
「休憩中大変申し訳ありません、先程の件で相談に乗っていただきたい箇所がありまして」
「ああ、」
ハインラインがこちらを見る。一体どうしたのか、とノイマンは首を傾げた。
「少し待っていてもらえますか」
思ってもいなかった言葉を掛けられ、まじまじとハインラインを見てしまう。
仕事の話をしていた訳でも、大事な話をしていた訳でもない。
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