事後
イーリャのママとパパに挨拶しなきゃね
必要ない
?もういないの?
違う今も生きてる
しかし行けないんだよ
…
イーリャは寂しいの?
!
彼女のふとした言葉に私はたじろいでしまった
いつか聞いたな私の昔のことを
うん
私は嫌気が差して村を出たんだ
…
出立する日の朝
のぼる陽を背に母に呼び止められた
逆光で顔は見えなかったはずなのに
目だけ覚えていて
行くのかと尋ねられた
あの時の目
あれは独りを知っている目だったのだと
今更分かった
今のヴァーシャの目と同じ
ヴァーシャが独り身だということは知っていたが
その目になるのにはかなりの苦労が必要なはずだ
苦労はしてないよ、必要な事だったから
その心だよ
私には無い心だ
強いなヴァーシャよ
ぎゅうと抱きしめる
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