ALL 冬のidao イダアオ keki リトル・ミィDOODLE氷点下の夜半。 絡む指から伝わる持て余された熱。 普段は冷たいアオキの手が熱いのは眠い時とアノ時だけで。どちらも知るのは俺だけという秘密に胸が焦げる。 「イダ…あっつい…」 譫言の様に繰り返して熟れた瞳が揺れる。 「…ッ!」 その色に衝撃が俺の芯を駆け、張り詰めた糸がプツリと切れた。 143 リトル・ミィDOODLE曇る硝子を伝う滴が稲妻の様に窓を分かつ。 身体から立ち昇る湯気と互いの息遣いだけが溢れる部屋。 この世は俺とアオキしかいないと錯覚したまま、上気したアオキの頬を指で辿れば別のトコロがゾワリと粟立ち熱を帯びる。 「…アオキ」 名前を呼べば確実に締めつけるソコを穿つべく、俺は腰を引いた。 142 1