きみとワルツをかろやかな三拍子。
ステップを踏みながら、くるくると舞い踊る色とりどりの紳士淑女。
高く開けた天井には宝石と見紛うような煌びやかなシャンデリア。
何もかもが眩くて、コンスタンティノス僅かに双眸を細めた。
喧騒から少しばかり離れた壁際に背中を預けながら、まるで現実味のない光景を眺める。賑々しい場所は嫌いではない。だが、皇帝とはいえ元々が軍人気質である所為か、華やかな宮廷舞踏に身の置き場のなさが纏わりつく。これが舞踏会などではなく、騎馬射撃の類であったのなら、コンスタンティノスの独断場であっただろうことは想像に難くない。
ふと視線を感じて、いつの間にか俯き加減になっていた顔を上げれば、一際目立つ可憐な少女がドレスの裾を翻して華麗にターンするところだった。
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