わけっこクリスマス「完成ー!」
カービィがはしゃぎ声を上げる。まあるい小さなケーキが、その手に鎮座していた。小柄なサンタさんのアートキャンディが、ケーキを聖夜らしい雰囲気に仕立てる。ちょっと傾いているのはご愛嬌だ。どこまでもご機嫌なかれが、じゃじゃーん、とローアにケーキを自慢している。ぴこん、と高めの通知音を返す様子は愛らしい。二人はまるで姉弟みたいで、見ていてほっこりする。
「よかったネェ……」
半面、ボクは疲労感でいっぱいだった。ぱしゃぱしゃとローアがシャッターを切る音すら遠い。二人でケーキを作る……それもスポンジにデコレーションするだけなのに、まさかこんなに大変だなんて。いつの間にか消えていく材料に、こっそり溶け始めるクリーム。おかげで、特等席のイチゴがクリームに沈んでしまいそうだ。何とか形になったからよかったものの、近場のケーキ屋さんの終業時刻を調べていたくらいには限界を感じていた。
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