前々世② そうと決まれば善は急げとばかりにヘウォンメクは
「じゃ、テジャンとりあえず積もる話もあるからどっかお店入ろうか? お腹空いてない? それと今のご両親に挨拶したいなぁ」
結婚の挨拶かと突っ込みを入れる隙も無く矢継ぎ早に捲し立てるヘウォンメクにカンニムは「あ——…」と歯切れが悪い。
公衆の面前で何時までも抱っこされているのも恥ずかしいらしく「いい加減降ろしてくれ」とヘウォンメクの胸を叩き拘束されていた腕を緩めさせ飛び降りる。そして首が痛くなるくらい長身のヘウォンメクを見上げて口を開く。
「あのな、今食うと夕飯入らなくなるし親は居ないから養護院で暮らしてる」
「えっ? どゆこと?」
再度明らかに困惑しているヘウォンメクにまぁ普通はそういう反応だよなとカンニムは一人納得する。
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