ヒアソビとコイ 氷に閉ざされたスネージナヤからやってくると、風光明媚で自然豊かな景色が広がる璃月ですら暑く感じてしまう。もう七月も半ば過ぎだ。気温もそれなりに高く、夕立が降ることもある。
北国銀行は、氷の女皇が統べる国スネージナヤの組織ファデュイの監督下にある拠点のひとつだ。ファデュイの執行官であるタルタリヤは、その璃月支店に度々顔を出す。今朝、北国銀行の総取締役である『富者』が視察のため本国スネージナヤからやって来たと知らされ、急いで居室を出て北国銀行に向かっているところだ。
しばらく前に、遠く稲妻の地で果てた執行官『淑女』の追悼のためにタルタリヤもスネージナヤに戻っていたが、それ以後も璃月と本国を行ったり来たりの日々を過ごしていた。スネージナヤパレスは息が詰まる。璃月ではタルタリヤも比較的自由に行動ができるのだが、『富者』が視察に来たとなれば話は別だ。
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