ひかりのしずく ほんの出来心、ちょっとした冗談のつもりだったの。
「ピッコロさん、あのね、ボク、テストで百点取ったんですよ!」
空に真っ赤なじゅうたんが敷かれたら、夕日がとぷんと沈んでしまう前に、今日の修行はおしまい。おかあさんとそう約束して、うんと頷いたのはボクなのだけれど、この時間になるといつも、ボクの気持ちはずうんと下向きになって、足もうんと重くなってしまう。ピッコロさんに向けて、決して駄々をこねないよう気を付けてはいるけれど、その代わりに取り止めのない話が、唇からこぼれてしまったりするのだった。
ピッコロさんがボクに「ああ」とか「フン」だとか、ふたつみっつ返事をしたら、最後にお決まりの文句、「じきに夜になる。母親に叱られる前にさっさと帰れ」とさよならの挨拶をして、今日はもうおしまい。
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