添い寝本続きのお話「ふぁ~あ……。ねっむ……」
二月。大学の期末試験も終わり、いよいよあとは卒業を残すのみとなった。
千冬と付き合うようになってから四ヶ月。大きな喧嘩もなく順調な交際が続いている。が、一週間千冬と会っていない。なんてことはない、オレと千冬の大学の試験期間がズレているだけの話。
ゼミの単位と卒論だけのオレとは違い、千冬は試験が終わるまでオレの家に来ず、勉強に集中しなくてはならない。その間オレは千冬の作る飯を食えず、添い寝もしてもらえず、もちろん会えていないのでセックスもしていないので、人間の三大欲求すべてを満たせていない状態なのだ。
千冬の作った飯しか食いたくないのが正直なところだけど、何も食わないと千冬に叱られるので、せめて飯の時間を合わせてビデオ通話をしながらコンビニ弁当を食っていた。たったそれだけでただのコンビニ弁当もうまくなるのだから、千冬の存在はオレにとっての命綱だ。もちろん千冬の飯には敵わないけど。
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