Night out of Hanamaru ハッキリ言って、俺の生活は、前よりは裕福になった。給料もちゃんとあるし、休暇もちゃんとある。育児には給料や休暇は無い。その点、今の俺には色々と余裕がある。そして俺は、その余裕の潰し方も知っている。酒に賭博に女、金があれば余計な事は要らない。酒を呑みながら、そんな事を考える。
「それで、お兄さんは貴族の方なのかしら?」
「いや、俺がそんなお堅い身分なわけないっしょ〜」
「そうなの?お衣装も素敵だし、何より品のある顔してるから…貴族の方がお忍びで来てるのかと思っちゃった」
まぁ、そういう奴が多いんだろう。俺が昔出入りしてた娼館とは格が違う。仄暗い裏路地で客引きもやってなけりゃ、落ち窪んで疲れた目もしてない。きらびやかに着飾って、美貌を武器に、搾り取るタイプだろう。
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