素直になれないだけ「双循ってオレのことほんとに好きなのか?」
「散々そう言うとるじゃろうが」
「なーんか嘘くせーっつーか……」
イマイチ信用できねーって言うと、ハッと鼻で笑われた。
付き合ってるのかすら曖昧で。でも恋だの愛だのはオレと双循には似合わないし、体だけの薄っぺらい関係がちょうどいいのかもしれない。
ぼんやりとやけにでかいダブルベッドの上でそう考えていた。
双循の家。
一人暮らしにしてはやけに広いマンションの一室。
来るのは初めて、ヤるのは数回目。
初めてヤッた時はラブホテルだったし、その後もホテルだったり生徒会室だったりだったから今更双循の家に誘われた時にはちょっと驚いた。断る理由もないし元々やる予定だったしで、寧ろ嬉々として着いてきた。
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