㋿👿の学パロみたい……見たくない? いつも難しそうな分厚い本を読んでいるか、机に伏せて眠りこけているか、しかしていない埋れ木一郎くん。みんなからは「悪魔くん」と呼ばれている。
授業参観の時にも、三者面談の時にも、親らしき人を見た事がないので、多分、一人暮らしなんだと思う。
どうやら、隣のクラスのメフィスト3世くんと、「千年王国研究所」というところで探偵業のような事をしているらしい。たまに街中を二人で歩きながら、何やら難しそうな会話をしているのを見掛けた事がある。
一瞬、声を掛けようか、と思うけれど、何故だか二人の邪魔をするのは悪い気がして、いつもそっと遠くで見つめることしか出来ないでいた。
午前授業で終わったあの日、忘れ物をして教室に取りに戻ったら、誰もいない教室にぽつんと埋れ木くんだけが、窓際の席でいつものように机に突っ伏して昼寝していた。
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