【オルサイ】彼の歴史を知った日八人と一匹での旅は、常に自分に都合がいいとは限らない。自分の目的のために仲間に合わせてもらうこともあるのだから当然だろう。そこが本来なら足を向けたくない場所だとしても、仲間のためなら赴くことは厭わない。オルベリクがそうであるように、他の面々もまた同じように考えているはずだ。
一行が足を踏み入れたのはフラットランド地方最大の都市、アトラスダム。フロストランド地方へと向かうため、中継地点として選んだ街だ。ここなら交易も活発で雪国用の装備も整え易いだろうし、休む宿の確保も比較的容易いと言える。
「じゃあ、まずはちゃっちゃと雪国装備の調達ね」
「不用品もあるから、一緒に処分したいところだな」
「そうね、持ち歩くのも邪魔だし。アーフェン、調合素材はどう?」
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