おやすみからおはようまでそんな事があっておれは寝ているセナに話しかけることにハマってしまった。
「おやすみ」から「おはよう」までセナはかなりの確率で「おれ」と話しているっぽい。なんだかそれがくすぐったくて、面白かった。そんな理由で今日も窓の外の星空を眺めながら彼が寝入るのを待つ。今日もセナはおれが同じタイミングに寝ない事に慣れているので、あんまり疑問に思わずに「早く寝なよぉ」と言うだけだった。まさか寝言で会話してるなんて思ってないんだろうな。なんてニヤニヤしながら考える。
「――行かないで!」
寝室から突然聞こえてきた声に驚いて、慌てて寝室に入る。
「セナ?大きい声なんか出してどうしたの?」
おれの声によろよろと起き上がるとセナは小さくおれの名前を呼んで、徐に両手を伸ばしてきた。
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