「ぅんんッ!」
腕で顔を覆っているせいで快楽でびくりと腰を浮かせる様も、ぴんと紅く張った胸の飾りも、全てが強調されているようでより一層いやらしく見える。
「イオリ、力を抜け。私の背中に手を回していいから…」
「はぁっ、あ…」
己の首に腕を掛けさせんと伊織の手を優しく取ろうとすると、ぐっとその腕に力が入る。
「っ駄目だ…!」
「イオリ…」
「頼む、セイバー…。顔を見られたくないんだ」
顔を覆う腕の隙間から見える瞳は快楽に蕩けているものの、やはり僅かに正気が残っている。
目尻に溜まる涙を見て、セイバーは今夜も仕方なく伊織の腕から手を離した。
発端は、只の魔力供給の筈だった。
太夫や鄭からサーヴァントとの魔力供給の方法を幾つか聞くと、できる限り側にいる事や血液からの摂取が主といった事だったので、セイバーと伊織はそうしていたのだが。
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