赤黒れんしゅうよく晴れた青空の下、やわらかな朝の日差しに照らされて、紅色の綺麗な髪がきらきらと光って見える。よく通る声は聞いているだけで朝から背筋が伸びるように身が引き締まるのに、わずかに含まれた甘さのおかげで耳に心地良い。立ち姿まで彫刻みたいに美しくて、彼が着ているだけでただの制服もまるで王族の衣装のようにすら感じてしまう。
そんな見目麗しい姿を、持ち前の影の薄さをここぞとばかりに利用してこそこそと盗み見していたはずなのに、黒子の視線を感じ取ったのか、目線の先の彼は目が合うとふわりと優しく笑った。
「おはよう、黒子」
「おっ!おひゃようごじゃいまふ!」
まさか気付かれるとは思わなくて、驚きすぎて声がひっくり返った。カミカミの挨拶に恥ずかしくなって、黒子の顔がかあっと熱くなる。その様子を見て、赤司はまたくすくすと笑っていた。
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