Monochrome・・・
つまらない。
自分も、世界も、未来も。
壊したい。
自分も、世界も、未来も。
辟易している。
自分も、世界も、未来も。
楽しみたい。
自分も、世界も、未来も。
ふと、どこからか波の音が聞こえた気がした。
瞼に極彩色が点滅する。
指先を冷えたふちに乗せる。
遠ざかる音と寄り添う孤独に海が凪いだ。
一呼吸置いてゆっくりと瞼を開く。
目の前には同じ顔が何の感慨もなさそうに立っていた。
・・・
「伊織君、右」
「了解」
短い会話の後、今まさに飛び掛からんとしていた黒服が突然地に伏す。
一体何が起こったのだろうか。不可解な仲間の姿を見て反対側から来ていた男が思わず足を止める。それを見やった赤色の左目がすっと細まった。
「戦場で足を止めちゃあ駄目じゃないか。」
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