燃える惑星は追跡不可能「れおくん!ねえ聴いてよ今日のランチでペペロンチーノを頼んだらさ〜、唐辛子が出てきたの。信じられる?もうすっごい恥ずかしくて、でも間違えたって言うのはもっと恥ずかしかったから俺なりの完璧な無表情でまるまる一本食べ切ったわけ。ちょ〜、えらくない?」
ただいまもなしに始まった怒涛のおしゃべりに、思わず今まさに飲もうとしていたコーヒーのカップをテーブルに置き直して声のする方を向く。まるで最大の理解者であるかのように「うんうん、えらいえらい。」と親しみを込めた笑顔で頷きながら、玄関に向かうためにゆっくりと腰をあげた。それにしたって、今日のお話はなかなかインパクトのあるものだった。お皿の真ん中にぽつんと置かれたたった一本の唐辛子を黙々と食べるセナを想像してみる。うん、最高に面白い……。
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